ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

昔々、花束みたいな恋をした

今日は真珠湾攻撃があった1941年から80年になる。NHKスペシャルでも放送されたが録画をしたもののまだ見ていない。そして見たかった坂元裕二脚本の映画「花束みたいな恋をした」を見た。

この日に見たのはまったくの偶然であるが、意外な関係がある。菅田将暉が演じた麦の出身地が長岡だったのである。長岡と言えば山本五十六の出身地でもある。NHKのニュースでもハワイと長岡の学生の交流の姿を伝えていた。

映画にはそんなことは言及されていないが、小林薫演じる父親が上京してきて長岡花火について語るシーンがあった。映画ファンなら大林宣彦監督の「この空の花  長岡花火物語」を思い出すことだろう。

個人的にはそれだけで麦という主人公のバックグランドが理解できて共感してしまった。高校時代にサブカルにハマって憧れの東京に出てきたものの、好きなことで生計を立てることができずに就職して、だんだんと社会の枠組みの中に居場所を見出していく。それは自分がかつて辿った道程とほとんど変わりがなかった。

そんな麦が有村架純演じる絹と出会った年が自分にとっては1984年だった。自分も大学3年で同じような恋をした。残念ながら終電を逃して押井守に遭遇するといった劇的な出会いではなかったが、この年に公開された「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」について語り合ったことは覚えている。

お互い筒井康隆が好きで、夢と現実が混在したかのような世界観に抵抗がなかった。それで意気投合してニール・ジョーダン監督の「狼の血族」などを一緒に観て、色々と語り合ったものである。

映画で言及された現在のサブカルなどの固有名詞には残念ながら反応することはできなかったが、同じモノが好きという相手と話すことの喜びはよく分かる。それがちょっとマイナーなものだったら特別な感情を持ってしまうのは仕方がない。

それだけに、それが特別なことではないと分かった時の痛みは大きい。同じ曲を聴いているつもりだったのに、結局は右と左のヘッドフォンで別々の音を聴いていたみたいなすれ違いが起きてしまう。自分も彼女に対する幻想を膨らませすぎてしまって自滅してしまった。

それでも昔々、自分も花束みたいな恋をしたのは事実である。ちょっとした晴れがましさはあったが、それは長くは続かない。そんな1984年の今日の日記には次のように書かれている。

今日はついていたのか、いなかったのかよく分からない変な日であった。朝は7時過ぎに起床してちゃんと食事をしてバイトに備えたものの、毎朝楽しみにしている「心はいつもラムネ色」を見てから家を出たら銀座には9時半に着いてしまいバスに間に合わずバイトに行けなくなってしまった。

 

それですぐに戻って講義に出るのも面白くないので新しくオープンした有楽町マリオンの日本劇場にて「ゴーストバスターズ」を観た。場内は混んでいたが1回目は前、2回目は真ん中で座って観ることができた。土曜日の熱気あふれる雰囲気に浸ることができて映画ともども楽しかった。


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Wikipediaによると映画は12月2日が初日だったみたいだが、この日は日曜日。おそらく前日が映画の日だったので一日ずらしたのだろう。それでも公開後すぐに満場の映画館で観ることができてラッキーだった。

映画はお気に入りで、当時サントラ盤レコードも購入した。主題歌のMVもよく見ていたはずだが「大草原」のメリッサ・ギルバートが出ていたことに気がついたかどうかは覚えていない。

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