ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

エイジアと1992年のコンサート

12月になるとジョン・レノンのアルバムを聴きたくなる。他にも二人、ジョンという名の好きなアーティストがいる。それがイエスのジョン・アンダーソンとエイジアのジョン・ウェットンである。それぞれ所属していたグループのアルバムだけでなく、ソロ・アルバムも大好きだったという共通点がある。

残念ながらレノンのコンサートは見ることはできなかったが、アンダーソンとウェットンのコンサートは何度か見ることができた。特にウェットンはエイジアだけではなく、ソロとしても来日しており、その歌声に魅せられたものである。

初めてエイジアのコンサートに行ったのが1990年10月2日のことで、会場は中野サンプラザだった。この月には彼女と小野リサのコンサートにも行っており、恋愛がらみのことで頭がいっぱいだったせいか、あまり記憶に残っていない。

その後、1992年6月6日にNHKホールでのコンサートに出かけている。この時にはメンバーチェンジがあってウェットンは参加していなかったが、日記にはちゃんと記載があった。

6月7日(日)

昨夜のコンサートは2度目となるエイジア。前から5列目の席は最高で、ジェフ・ダウンズのキーボード、スティーブ・ハウのギターを操る手元まで確認できて、その卓越なるプレイに見入ってしまった。

しかし、新たにジョン・ペインを迎えた新生エイジアはプログレというよりヘヴィメタに近いノリで、聴衆を総立ちにさせたパワーがそれを如実に物語っていた。

それはそれで凄いことなのだが、その音量は自分の耳の許容範囲を超えてしまった。ダウンズによるパイプ・オルガンのソロや、ハウのマンドリンの調べに心地よいものを感じてしまい、パワフルな演奏には少々ついていけなかった。

そろそろロックを騒音と感じる年齢になってきたのかもしれず、こうしたハードなコンサートは肉体的に限界かもしれない。未だ難聴状態は続いており、少々心配である。

それでも音楽に関する嗜好はますます多様化して、このところ毎週CDを購入してはその音世界にどっぷりと浸かっているところである。

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そして9月にはELP(エマーソン・レイク&パーマー)のコンサートにも行っている。こちらにはエイジアで来日したばかりのカール・パーマーがいるし、ボーカルのグレッグ・レイクは1983年にウェットンの代わりにエイジアとして来日している。これも日記に記載があった。

9月12日(土)

中秋の名月に照らされた昨夜はブラック・ムーンを携えて来日したELPの演奏に酔いしれた。2度のチャレンジで後方のA席(6,000円)しか取れなかったが、厚生年金のホールはさほどステージとの距離はなく、まるで問題はなかった。

いきなりオープニングから「タルカス」が登場して、その卓越なるプレイに聴き入った。3人のソロを交えてクライマックスはあの「展覧会の絵」。この凄さはちょっと比類がない。ステンドグラスを模したライト効果もシンプルではあるが美しく、涙がにじんだ。これがわずか3人のトリオで生み出されたことはやはり驚異である。

20年前に録音されたCDではこの迫力はやはり味わえなかった。ライブの魅力ここに極まれりといったところである。アンコールでのエマーソンのパフォーマンスも観客を熱狂させるには十分で、総立ちの拍手の中2時間弱のステージは幕を閉じた。

1988年にピンクフロイドのステージを観て以来、編成の異なるイエスを2回、同じくエイジアを2回、ABWH(アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ)を2回足を運び、そして再結成したELPに至った訳である。

70年代に隆盛を誇ったプログレ・バンドを現在こうして実際に聴くことができたということは、やはり凄いことだと思う。これでしばらくコンサートの予定はないが、こんな凄い演奏に触れた後では、もう十分といったところである。

今年も残すところ3か月余りしかないが、コンサートにおける収穫は大きかった。正月のハリウッドボール・オーケストラから始まって、2月のイエス、3月のロバート・フリップとデヴィッド・シルビアンのジョイント、6月のエイジア、そして今月のELP。その他にも劇団四季によるミュージカル「オペラ座の怪人」もあった。東京にいることの意義を改めて感じているところである。

そして1994年の10月にはジョン・ウェットンのソロ・コンサートとジョン・アンダーソンがボーカルのイエスのコンサートに1日と4日とほぼ連続で行っている。それ以後も来日するたびに行ってはいたが仕事が忙しくなって日記も書けなくなったため、記憶も曖昧になっていく。

そして2010年5月、渋谷C.C.LemonホールでのThe All Four Original Members of ASIA The Omega Tourがジョン・ウェットンを見た最後になった。今回購入したGravitasが発売された2014年の来日が最後で、2017年に亡くなった。

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そのウェットンも在籍していたことがあるキング・クリムゾンが先日来日してコンサートを行った。残念ながら見に行くことはできなかったが、WOWOWで放送された最近のセットリストに近いライヴを見ることができた。

クリムゾンのナンバーではスティーブ・ハケットと一緒に来日した時に演奏された「クリムゾン・キングの宮殿」が最高で、今でも忘れられない。

東京テープ

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