今朝の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でオダギリジョー演じる大月錠一郎の名前の由来が描かれた。そのシーンを見ていたら、「大草原」のチャールズとアルバートを思い出した。血は繋がっていないものの固い絆で結ばれた親と子のような関係。
それはるいにとってクリーニング屋の夫婦に重なるが、それでも産みの母親のことは忘れることはできない。
先日BS4Kで放送された「わたしのママ」を見て、前回DVDで見た時はドラマ「Mother」を思い出したが、今回はこの「カムカム」に重なってしまった。
目が見えないものの絵を描くことが大好きなアニーの絵が、ふとしたことで画商の目に留まり、スリーピー・アイの盲学校で個展が開かれることになる。その記事を見た産みの母親が一目会いたいと夫を使いに出すが、アニーは会いたくないと拒絶する。
幼い頃に盲学校の前に置き去りにされた記憶がよみがえり、その負の感情によって描かれた絵が強烈である。それだけ受けた傷が大きかったということでもある。
それにしても目が見えずに絵を描くことが可能かは分からないが、実際に盲目のカメラマンはいるので特殊な才能ということで理解はできる。ドラマで語られる絵の評価が印象的である。
彼女の絵には、美しさと苦悩が共存し
キャンバスの向こうに涙が見える
それはそのまま母親に捨てられたアニーの姿に重なってしまう。
しかし、母親の立場になれば、娘と離れるにはそれなりの理由がある。それを知って和解するシーンがドラマのクライマックスになることが多い。
「大草原」ではウォルナット・グローブの教会で母と娘が対峙することになる訳だが、そこで明かされる真相に驚かされることになる。
ドラマ「Mother」でも松雪泰子演じる奈緒が、田中裕子演じる産みの母親と偶然に再会して葛藤することになる。このドラマでも母が娘を置き去りにしなければならなかった真相が強烈で、今でも忘れられない。
それだけに「カムカム」では深津絵里演じるるいが、どのように母親の安子の思いを知ることになるのか楽しみでならない。
ちなみに深津は1973年1月11日、松雪が1972年11月28日生まれで49歳になる。どちらも若い頃よりも年を重ねることによって、より魅力的になっている気がする。
アニーを演じたマデリーン・ストウは1958年8月18日生まれで63歳になるが、映画「ラスト・オブ・モヒカン」に出演した時には30を過ぎていた。こちらも年を重ねることによって魅力を増していったといえるだろう。
ドラマでは16歳の少女を演じているが、先生であるメアリーと並ぶとやはり年上に見えてしまう。実際、メアリーを演じたメリッサ・スーよりも4歳上になるが、このツーショットは魅力的である。それだけにメリッサ・スーがマデリーンのように映画で活躍できなかったのが残念でならない。
それから、この回ではメアリーの母親であるキャロラインがおせっかいともいえる活躍で幸運をもたらすことになる。このキャロラインとアニーのツーショットも見どころであるが、DVDではスリーピー・アイへの道中のシーンがカットされていた。そんなに長いシーンではないのに不思議である。
カレン・グラッスルはこの後、映画「ワイアット・アープ」 (1994年)に出演するが、同じ年にマデリーンは「バッド・ガールズ」に主演する。どちらも映画館で観て、サントラも購入した。西部劇を映画館で観ることができて最高だった。
特に「バット・ガールズ」は音楽をジェリー・ゴールドスミスが担当しており、夢中になったものである。
なお、この映画が公開された前年の1993年にNHK取材班による本「ローラ&ローズ―大草原の小さな家・母と娘の物語」が出版されている。
この本をベースに新たな取材を加えて、そろそろ4Kで「大草原」の特集番組を制作して欲しいところである。