今年初の真夏日にぐったりとしたままだ。
まだ5月だというのに季節だけでなく、自分の日常もすっかり変調してしまった。そのためブログを書く時間も、精神的な余裕もなくなってしまった。
ただでさえ家族が手術のため入院するというのは大変なことなのに、コロナ禍においては制約がありすぎて精神的な負担も大きくなってしまう。
改めて医療現場で働く人には感謝であるが、病床が逼迫するということがどういうことなのか思い知らされた感じである。
そんな中、高校時代からレコードを買って、40年以上聴き続けてきたアーティストであるヴァンゲリスが今月の17日に亡くなった。フランスでコロナの治療を受けていたとのことで、79歳だった。
その訃報を知ってから色々と書きたいことはあったものの、上記の通りで書くことはできなかった。これまでにも何度か彼のことは書いてきたが、その中で「天国と地獄」について書いた記事が検索されているようである。
最近も90年代のライヴを収録した2枚組のCDを購入し、劇伴を担当した映画を見直したので、それらについても書こうと思っていたところだった。
その映画「赤い航路」はサントラは発売されなかったもののテーマ音楽はベスト盤に収録されたのでよく聴いたものである。映画自体も「ダメージ」と同じように官能的で破滅していく男の姿が印象的で、当時レーザーディスクも購入した。
映画は1993年2月6日公開されたが、その後「ダメージ」が 4月10日に公開されている。前年の6月には「氷の微笑」が公開されており、どれも音楽が素晴らしかった。当時、キネマ旬報で佐藤勝が派手な「氷の微笑」と比較して、抑制された「赤い航路」を褒めていた記憶があるが、個人的にはどちらも大好きである。
原題:Bitter Moon
1992年フランス・イギリス合作。
原作:パスカル・ブリュックネールの小説『Lunes de fiel』
監督:ロマン・ポランスキー
1993年2月19日(金)ニュー東宝シネマにて鑑賞