ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

横浜の休日

本当に久々に横浜まで行ってきて早くも一週間が過ぎてしまったのに、何も書けないままである。大学生になって初めてデートをした思い出の地だというのに言葉がまるで出てこない。あの頃は手書きで指が痛くなるまで書き続けることができただけに隔世の感がある。

山下公園の近くのホテルに宿泊し、翌朝に散歩に出かけた。あの頃と同じようにベンチに座り、ぼんやりと海を眺めた。

当時は緊張していたせいか、何を話したかまるで覚えていない。当時の日記を引用してみる。

7月19日(木)

今日は書きたいことが山ほどある。けど、それを文章にしてしまうと何だか噓っぽくなるようで自分の胸にだけしまっておきたいような気もする。そこで、ちょっと小説風に書いてみる。題して「横浜の休日」・・・。

 

昨夜の失意からまだ立ち直っていない彼は一抹の望みを託して震える指で彼女の家の電話番号を押した。

「もしもし、〇〇さんのお宅ですか・・・」

「・・・えぇ」

親父さんと思しき声で彼は思わず緊張した。

「あの私、〇〇大学の〇〇と申すものですが〇〇さん、おられますか」

「ちょっと待ってください・・・、おーい・・・」

どうやら、居るには居るらしい。

「もしもし・・・」

なんともか細い声で、彼は一気に緊張してしまった。

「あのですね、え~と、その~、この前・・・・・・」

彼はすでに練り上げたシナリオを完全に失念しており、我を忘れてその言動は支離滅裂。(もうダメだ)そう思いつつ最後の奮起で彼は映画に誘ってみた。

「旅行の準備で忙しいけど、横浜でなら・・・」

何となく重い口調だった。

「え~、それでいいです。じゃあ、10時半に横浜駅で・・・」

一応、会う約束はしたものの、何となく彼は自己嫌悪に陥ってしまった。(やっぱり、ダメな奴はダメなんだ)と彼の足取りは重かった。

10時半、横浜駅東横線改札口。雑踏の中、乱れる思い。(あっ、いた!ドキッ!え~ぃ、もぅどうにでもなれ!)しかし、会ってみると彼女は朝とは違って、いつもと同じように親しい会話が続いた。

以下、延々と続くが疲れたので省略。それでも、この冒頭だけでも当時の揺れる思いが伝わってくる。この日は関内から二階建てバスに乗り、港の見える丘公園へ行き、外人墓地~山手資料館~元町~中華街(食事)~マリンタワーと巡り、最後が山下公園だった。

デートとしても、観光としても申し分なく、まさに横浜の休日だった。その時の思い出を今、改めて書こうとしても文章が浮かばないし、わずか一週間前の出来事すら書くことができないのだから情けない。

それでも買ったばかりのiPad miniを持って行ったので写真で記録を残すことはできた。今では位置情報で撮った場所の住所も分かるのだから凄いものである。

ホテルに戻ってテレビを点けたら小芝風花が映っていた。昨年見た「チコちゃん」の再放送だった。

小芝は来月からドラマ「霊媒探偵・城塚翡翠」で清原果耶と共演することが決まった。「あさが来た」「透明なゆりかご」「美食探偵」が好きだっただけに楽しみである。