ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

【備考】父の死を乗り越えて~タイトル

ここ数日の寒さで頭痛が続いている。先日など最低気温が7度で、最高気温が13度という寒さで、早くも暖房を点けてしまった。こうなるとテレビを見るのもしんどくて、ただベッドに横たわって体調が良くなるのを待つことしかできなかった。

そんな訳で、先週から始まった朝ドラ「舞いあがれ!」で熱を出して寝込んでいるヒロインの舞にすっかり感情移入してしまって、もう目が離せない状態である。自分も小学生の頃、季節の変わり目などに喘息の発作で寝込むことが多かっただけに、その気持ちはよく分かる。母親の過保護も、親の顔色を窺うことも経験してきたことである。

磯辺ではしゃぐ舞と、それを見つめる母親と祖母の姿を見て、大草原の「オルガの靴」の回を思い出した。足が不自由なことを心配して家に閉じ込めようとしてきた父親と、矯正靴を作ってでも遊ばせたい祖母の姿が重なってしまった。良いドラマはアメリカも日本も変わらず、こうした日常が生き生きと描写されている。

そのドラマ「大草原」のBS4Kでの放送も、8日からシーズン9がスタートした。その初回の邦題は「父の死を乗り越えて」で、この父からチャールズのことを連想する人が多いだろうが、これはミスリード。冒頭でちゃんとチャールズは登場するが、すぐに懐かしの小さな家から出て行ってしまう。そこでC.Iの文字を見つめる姿が印象的だ。

実際に父の死を乗り越えるのは新たに登場したアルマンゾの姪であるジェニーという少女である。このジェニーがどのように父親の死を受け入れていくかが見どころであるが、演じているシャナン・ドハーティーが達者すぎて少々興ざめ。個人的にはミッシー・フランシスが演じたカサンドラの方が好みで、キャロラインに抱きつく姿に涙したものである。

この回でジェニーはオルデン牧師に話を聞き、天国の存在を確信したうえで、そこにいるはずの父と母の元へ行くことを決意する。その心情には共感できなかったうえに、ローラのきつい叱責もあって、あの「ローラの祈り」のようには感動できなかった。

このジェニーのエピソードの劇伴には、「私の赤ちゃん」(シーズン4)で印象的だった哀しいメロディーが流れていて、再び耳に残ってしまった。

ちなみにアメリカでの初放送時にはこれまでのLittle House on the PrairieからLittle house: A New Beginningというタイトルに変更になっており、これまでのシリーズの続編として制作されている。

しかし、残念ながら1シーズンで打ち切りになってしまったため、現在ではシーズン9という位置づけになっている。日本でもDVDでは「新・大草原の小さな家」というタイトルになっていたが、4Kでの放送ではあくまでも「大草原の小さな家」の最終シーズンという扱いのようである。

ただ、これまでの印象的なタイトルバックが変わってしまったので、やはり別物という感じ。ローラとアルマンゾに、エドワーズとオルソン夫妻の顔が映し出されるのも、なんだか違和感しかない。あの始まる前のワクワク感が失われてしまった。

それでもドラマとしては普通に面白い。ただ、初期シーズンと比較してしまうと、どうしても物足りなさを覚えてしまうということである。だから、改めて感想を書こうとしても、言葉が出てこない。

この「父の死を乗り越えて」のエピソードは前編と後編に分かれているが、今回は2話連続の放送だった。その前のシーズン8の最終回「信じるということ」も前編と後編を連続で放送しており、こうした編成は嬉しいところ。

ただ、この邦題は変更されており、DVDでは「光よもう一度」だった。その前の「託された命」も、前は「愛の病院」だった。このような変更は良し悪しで、どのような理由で変更されたのかは興味のあるところではある。

昔は映画のタイトルも「愛と〇〇」といったように、やたらと愛が付いていた。かつての「大草原」の邦題で愛が付いていたのは以下の通り。

愛の贈り物(シーズン2)
愛と祈り(シーズン3)
愛はひとりぼっち(シーズン4)
小さな恋、大きな愛(シーズン4)
父の愛(シーズン5)
愛してる、愛してない(シーズン6)
愛は永遠に(シーズン7)
愛すればこそ(シーズン7)
愛の花束(シーズン8)
愛するおじさん(シーズン8)
愛の約束(シーズン8)
愛の病院(シーズン8)
愛は救う(シーズン9)

特にシーズン8は4つもあり愛の大安売りみたいになっているので、そのあたりも考慮したのかもしれない。個人的には「愛の贈り物」のエピソードが大好きである。