冬型の気圧配置となり、強風と共に雪が舞い始めた。
今日が最終回だった「真田太平記」は少々画面が乱れたが、無事に見ることができた。
それにしても最後までしっかりと面白くて、それぞれの人生模様が見事に描かれたことに驚嘆する。
一応、主人公は最後まで生き残る真田信之(渡瀬恒彦)ではあるが、この最終回で特に印象的だったのが樋口角兵衛(榎木孝明)とその母親である久野(香野百合子)の顛末だった。
とにかく角兵衛の拗らせぶりは見ていて最高に面白くて、その目的の定まらない生き方は個人的には最も共感するところがあった。自分に自信がないから、自分に都合の良い考えにはすぐに影響されてしまう。それが周りにどのような迷惑をかけることになるのかに考えが及ばない。
そんな角兵衛を甘やかして育てた久野もまた同様で、その女としての生き様はある意味あっぱれとも言える。「大草原」で例えるとしたら、オルソン夫人みたいな存在で、角兵衛はウィリーのように育てられてしまったという訳である。それでもウィリーは母の呪縛から逃れることができたが、角兵衛は息子を思う母の思惑によって人生を狂わされてしまったということである。
それにしても病に臥せった母の口から、自らの出生の秘密を打ち明けられた角兵衛の気持ちを考えると、あまりにも切ない。
若い頃の私は多情であった
遊び心の激しい浮かれ女であった
雪の降る中、悶絶する角兵衛は、あまりにも哀れであった。その雪景色は、大雪注意報が出た現実のようでもあった。