ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

「エルム街の悪夢3」と「オペラ座の怪人」

水木一郎が歌ったのが「コン・バトラーV」。

Vと言えば、個人的にはアメリカのドラマを思い出す。アメリカでは1983年に放送されたようだが、日本では1987年に15巻のセットで発売されており、これをレンタルで夢中になって見たものである。

そのドラマに出演していたのがロバート・イングランドで、こちらを先に見ていたので映画「エルム街の悪夢」を見た時には驚いたものである。

その第3作目「エルム街の悪夢3 惨劇の館」の音楽を担当したアンジェロ・バダラメンティが今月の11日に85歳で亡くなった。

一般的にはデヴィッド・リンチ監督の映画音楽で知られているが、個人的には今年の6月に亡くなったジュリー・クルーズとのコラボが忘れられない。

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エルム街の悪夢3」は「ブルーベルベット」の翌年になるが、後に大ヒットする「ツイン・ピークス」の不穏なムードが見え隠れして、ホラー映画のサントラとしては上出来である。

この映画でヒロインを演じたパトリシア・アークエットは後にリンチの「ロスト・ハイウェイ」に出演。もちろん、音楽はバダラメンティだった。

そしてロバート・イングランドがまるでフレディのような怪人を演じたのが映画「オペラ座の怪人」(1989)だった。

先日「大草原」のシーズン9を見ていたら、ヒロインのクリスティーンを演じていたジル・シュエレンが出演していたので記事にも書いたが、当時のドラマを掘っていくとホラー映画にたどり着くことが多いのが面白い。

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当時、この映画を観て日記に次のように書いた。

1990年11月7日(水)

7時より丸の内ピカデリー1にて「オペラ座の怪人」を観た。少々悪趣味な描写もあり完成度はイマイチだったが、哀しいホラーが好きな自分の嗜好にはピッタリな内容にすっかり魅せられてしまった。

あの「V」で地球人の味方になるビジターを演じていたロバート・イングランドが怪人役で、あの「エルム街の悪夢」でフレディを演じていたとは気づかなかった。そのファントムが雪の降る墓場でバイオリンを弾くシーンは、その哀切なるメロディもあって久々に背筋がゾクゾクする映画体験になった。

ところが、帰りのエレベーターで一緒になった女性はお祓いをしたくなるような映画だったようで、それが普通の感想であることはガラガラの場内を見ても分かった。しかし、今の自分にはこういう屈折した映画が身に染みるのである。

あのミュージカル「オペラ座の怪人」が日本で初演されたのが1988年なので、当時はホラーというよりもロマンティックな悲恋ものというイメージが強かったと思う。それだけにミュージカルのような内容を期待して観に来た女性はまさに悪夢のような映画体験だったことだろう。

ちなみに自分はこのミュージカルを1992年3月15日に日生劇場で見て、パイプオルガンの旋律と共に忘れられない記憶になっている。

バダラメンティにとっても、まさにジュリー・クルーズがエンジェルのような存在だったのかもしれない。


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