ささやかな日常の記録

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【備考】幻のエレン~ホラー映画

シーズン4の「幻のエレン」はストーリーはともかく、映像的には色々と見所が多い回である。脚本・演出はマイケル・ランドンで、彼の嗜好(作家性)を考えるにあたっても興味深い。

先日4月9日に公開されたホラー映画「ザ・スイッチ」の監督であるクリストファー・ランドンの父親は名前からも分かるようにマイケル・ランドンである。残念ながら映画はまだ観ていないが、公開前のインタヴュー記事などを読んで色々と面白かった。

それによるとマイケル・ランドンはホラー映画が大好きだったとのこと。ドラマを見ているとホラーテイストの回が少なからずあるので、「やっぱり」と納得できた。この「幻のエレン」もそうである。

映画「ザ・スイッチ」はアメリカでは13日の金曜日に公開されたようだが、有名なホラー映画に「13日の金曜日」がある。公開は1980年だから、この回よりも後になるがホラー作品としての共通点が面白い。湖で溺れるシーンがあるし、病んだ母親と不気味な大男と美少女が登場する。

13日の金曜日(1980) (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
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エレンを探すが・・・

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ホラー映画においては、魅力的な金髪美少女が襲われてしまうパターンが多く、メアリーを演じたメリッサ・スー・アンダーソンも後にホラー映画「誕生日はもう来ない」のヒロインになるが、この時点ですでに予感があった。マイケル・ランドンが癌で亡くならなかったら、彼女をヒロインとしたホラー映画を撮っていたかもしれない。

誕生日はもう来ない (字幕版)

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しかし、今回のヒロインはメアリーではなくてローラなので、怯えるローラが実に魅力的だった。ローラの友達だったエレンが亡くなったことで母親が精神を病んでしまい、ローラを娘のエレンの身代わりにして地下室に監禁してしまう。

額に青筋を立てた母親がローラの三つ編みをほどいていくシーンはかなり怖い。暗闇の中で顔だけが見えないといった演出も効果的である。

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こうした監禁ものはホラー映画だけでなくサスペンス映画でも多く、1965年に公開されたウィリアム・ワイラー監督の「コレクター」は忘れられない。病んだ母親と孤独な青年という違いはあるが、倒錯した愛情を描いている。ローラをエレンに似せていくところなどはヒッチコックの「めまい」のようでもあった。

これはまるで人形の着せ替えのようでもあり、オルソンの店で4ドルの人形を娘の12歳の誕生日プレゼントとして購入するシーンが伏線となる。

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コレクター (字幕版)

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新しいところでは2017年に公開されたM・ナイト・シャマラン監督の「スプリット」が面白かった。ヒロインを演じて絶叫クィーンと呼ばれたアニャ・テイラー=ジョイが魅力的だった。このヒロインは叔父に性的虐待を受けており、この性的なテーマはシーズン7の「ある少女」でも描かれることになる。「幻のエレン」では聖書を牧師に投げつけた母親も最後には救済されるが、「ある少女」には絶望しかない。

スプリット (字幕版)

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ちなみにマイケル・ランドンが好きだったホラー映画は森の中の小さな小屋で展開されるサム・ライミ監督の「死霊のはらわた」とのことである。個人的には映画館で観た3作目の「キャプテン・スーパーマーケット」が気に入っている。

死霊のはらわた [Blu-ray]

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ドラマの中でもっともホラー映画を意識しているのがシーズン2の「母さんの傷」であるが、この演出はウィリアム・F・クラクストンである。ここでも湖で遊ぶローラとメアリーが描かれる。

「湖の怪獣」

先日BS4Kで放送されたシーズン5の「湖の怪獣」はマイケル・ランドンの演出でコメディではあるがホラー映画的な演出が楽しめる。

ここでも原題のThe Lake Kezia Monsterの通り、湖が舞台となる。前の記事では映画「13日の金曜日」のパロディと書いたが、この時点でもまだ映画は公開されていない。ただ「ジョーズ」は意識していたようで、ローラが水中でオルソン夫人の足に噛みつくシーンは最高だった。

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オルソン夫人の水着姿

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怯えるネリー

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誰?

「悪夢のオルゴール」

あとホラー的な演出で忘れられないのがシーズン3の「悪夢のオルゴール」である。ローラの見る悪夢が過激であるが、これもホラー映画のオマージュとして見れば面白い。

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悪夢といえば1984年にアメリカで公開された「エルム街の悪夢」を思い出す。ヒロインを演じたヘザー・ランゲンカンプはメリッサ・ギルバートと同じ年で、メリッサと交際していたロブ・ロウが出演した映画「アウトサイダー」の端役でデビューしている。テレビ放送での吹替は「北の国から」の中嶋朋子だった。

エルム街の悪夢(1984) (字幕版)

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【備考】幻の赤ちゃん

BS4Kでシーズン5の「幻の赤ちゃん」を見た。4月から放送時間が土曜の5時に変更になり、落ち着いて見ることができなくなってしまったが、久々にメアリーがメインの回だけに無理をして見ることにした。

ストーリーの中心はメアリーの妊娠ではあるが、邦題のようにそれは幻で終わってしまう。これまでも出産シーンはたびたび描かれてきたが、途中で流産してしまうことも多かったに違いない。シーズン1の「ジョーの約束」とシーズン4の「ベイカー先生休診」でもそんな危機的な状況が描かれていた。

だから当時としては決して珍しいことではなかったとはいえ、こうも次々と不幸に見舞われてしまうとメアリーの絶望感も半端ないといったところ。例によって、その表情が痛々しい。

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夫であるアダムはメアリーのことを考えて父親のいるNYで気分を変えさせようとするが、跡取りが欲しかっただけの父親は急に態度を変えてしてしまう。

アダムのためにNYへ行くことを受け入れていたメアリーだったが、本心では行きたくなかっただけにそれを聞いて喜ぶ。

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喜びの叫び

しかし、この先のことを知ってしまった今では、つい「もしも」を考えてしまう。誰しも、「あの時ああしていれば」と考えることはあることだろう。

それでもメアリーは盲学校の生徒を自分の子供と思うことで救われることになる。メアリーを母親のように慕う黒人の子供との交流が印象的だった。

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それに対してアルバートは臨時の若い女教師に恋心を抱く。まるでクレヨンしんちゃんみたいだと思ったら、4Kでの吹替は同じ小林由美子だった。ちなみに父親のひろしはチャールズの森川智之

このアルバートのエピソードは重いストーリーの息抜きになってはいるが、ちょっとチグハグ。もっと他に描くべきことがあったはずなのに残念である。

それは夫婦それぞれの家の問題である。アダムの父親はチャールズにNYに来ることを説得して欲しいと頼むが、チャールズは本人たちの問題だと断る。それでも本心ではメアリーに近くに居て欲しいと思っている。

子供ができることで、こうした家の問題が顕在化してくるのは今の時代でも同じことである。

たまたまゴールデンウィーク中に再放送されたドラマ「透明なゆりかご」でも描かれているが、その第6話について書いた記事がいきなり注目記事に入って驚いてしまった。

出産に関しては場所、時代を問わず普遍的なテーマということである。「大草原」でも出産に注目して見てみるのも興味深いと思う。これからメアリーだけでなく、ローラとネリーの出産も描かれる。ちなみに邦題で赤ちゃんが付くのは次の通り。

シーズン4「わたしの赤ちゃん」

シーズン5「幻の赤ちゃん」

シーズン6「メアリーの赤ちゃん」

シーズン7「ネリーの赤ちゃん」

それらを見て「透明なゆりかご」を思い出したのも必然だったのかもしれない。この時にヒロインを演じた清原果耶は16歳で、メアリーを演じたメリッサ・スー・アンダーソンに重なるような見事な演技だった。いよいよ来週から始まる朝ドラ「おかえりモネ」で成長した彼女を見るのが楽しみである。

北風小僧の寒太郎~太陽がくれた季節

この時期にしては強い寒気の影響で不安定な天気が続いている。さらに今朝は季節外れの寒さで起きるのが大変だった。

そんな寒い時に思い出す歌に「北風小僧の寒太郎」がある。起きてテレビをつけたら偶然にもその歌が流れてきて、思わず見入ってしまった。

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堺正章の歌で知られているが、その作詞をした井出隆夫が、山川啓介の本名ということは知らなかった。多くのヒット曲があるが個人的には1979年にゴダイゴが歌った映画「銀河鉄道999」とNHKが「未来少年コナン」の次に放送した「キャプテン・フューチャー」の主題歌が忘れられない。

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あの筒美京平が作曲して西城秀樹が歌った「勇気があれば」と「悲しき友情」も印象的である。


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長野県佐久市出身で、北風が電信柱に当たって響く音を「ヒューン、ヒューン、ヒュルルンルンルンルン」と表現するセンスは見事である。

この歌は1974年から「みんなのうた」で放送されたとのことだが、自分の記憶にあるのは背景もすべて月岡貞夫のアニメになった1977年以降のものである。それこそドラマ「大草原」とセットで覚えているといっても良い。

そのアニメには新潟の日本海から越後湯沢を通り、三国峠を越えて東京に出て行く過程が印象的に描かれている。これは新潟出身の月岡が車で上京するルートそのものとのこと。

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アニメの中では寒太郎の見事な剣さばきも描かれているが、実家が副業として芝居小屋をやっていたおかげで、小さい時からしっかりと観察していたとのこと。

月岡といえば手塚治虫や3月に亡くなった大塚康生との親交でも知られているだけに、自主制作アニメだけでなく商業アニメももっと見たかった。

それでもマイペースで仕事を続けることができたおかげなのか、81歳の今でもお元気そうで何よりである。


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なお、作曲者の福田和禾子が師事した一人がいずみたくで、いずみと山川が組んだ歌で忘れられないのが青い三角定規の「太陽がくれた季節」である。


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ちなみに雪国の冬は太陽がほとんど出ない太陽が暮れた季節でもある。人生においても青春は太陽が呉れた季節であるが、これからは太陽が暮れた季節に向かっていく。

それは仕方がないことだが、今年の冬のように大雪に見舞われることなく穏やかに過ごせることを願うばかりである。

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ドラマ「半径5メートル」

今日のNHKスタジオパークのゲストは芳根京子だったのに、当地では地元J2のサッカー中継でサブチャンネルでの放送もなく、がっかり。サッカーそのものは嫌いじゃないけど、珍しく事前に情報を得て楽しみにしていただけに、こんな時に限ってこんなローカルな番組をやらなくてもと思ってしまった。

どちらも一般的にはマイナーな存在だけに、多勢にはまったく影響はない。それでも地元J2のサッカーファンと芳根京子ファンでは前者に軍配が上がってしまうということである。

それでも昨夜から始まったドラマ「半径5メートル」は見ることができた。前々から楽しみにしていただけに期待も大きかったが、十分に満足することができた。4月からスタートした春ドラマでは「コントが始まる」と共に週末の楽しみになった。

芳根の役は、女性週刊誌『女性ライフ』の編集者。そこで芸能人のゴシップを追うが決定的な場面でミスをしてしまい、花形部署からマイナーな生活情報を扱う部署に異動になる。そこで永作博美演じるベテラン記者と出会い、身近なテーマに取り組んでいく。

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上が「一折」班、下が「ニ折」班

そんな芳根の姿にあの「チャンネルはそのまま!」の雪丸花子のキャラクターが透けて見えるのは仕方がない。それでも雪丸よりは生々しい女性の内面が垣間見られるところが嬉しいところ。冒頭、いきなり芳根の喘ぎ声から始まり、ラストでは早くも男の傍らで目覚めることになる。

そんな芳根の新たな魅力が満載で、それだけでも十分であるがストーリーも面白い。レトルトの「おでん」から男らしさと女らしさといった問題へとテーマが広がっていく。個人的にも最近おでんにハマっていただけにタイムリーな話題でもあった。

具材の蒟蒻からはドラマ「僕らは奇跡でできている」を思い出したが、脚本は同じ橋部敦子である。橋部といえば小芝風花が主演した「モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜」で(第39回)向田邦子賞を受賞したばかり。

そこでモコミは加藤清史郎演じるUber Eatsのようなバイトをする男に恋をするが、今回のドラマでは前田亜季演じる主婦の夫が働いていることになっていて印象的だった。前田といえば古沢良太が(第27回)向田邦子賞を受賞した「ゴンゾウ 伝説の刑事」が忘れられないが、その役名が(天野)もなみだった。高橋一生をしっかり認識したのもこのドラマだった。

そして今回、芳根京子の役名が前田亜季小芝風花を連想させる前田風未香というのが、あまりにも出来すぎである。このように自分にとって、色々な連想ができるドラマはそれだけで良いドラマである。

永作といえば1997年に放送された「青い鳥」が忘れられないが、もう50歳というのが信じられない。前田亜季が35歳で、芳根と小芝が24歳。それぞれ似たような雰囲気があるだけに、どのように年を重ねていくのか楽しみである。

【レコード】映画音楽4〜ジョーイ

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ジャケットの「ジョーズ2」と「死亡遊戯」からも分かる通り、この2枚組アルバムも1枚目には当時の最新作が取り上げられている。タイトルは「最新盤 映画音楽ベスト32」で演奏はアンサンブル・プチとスクリーンランド・オーケストラ。CBS/SONY発売。1枚目の収録曲は次の通り。

ジョーズ

グリース

サタデー・ナイト・フィーバー

コンボイ

死亡遊戯

サスペリア

アバ・ザ・ムービー

フィーリング・ラブ

スター・ウォーズ

未知との遭遇

スター誕生

ラストコンサート

ジョーイ

マイ・ウェイ

007/私を愛したスパイ

まさに当時、夢中になって観た映画ばかりである。残念ながらサントラ音源は一つもなかったが、今になって聴くとディスコ調の編曲が時代を感じさせて悪くない。個人的には「ジョーイ」のテーマ曲が聴けたのが嬉しかった。

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この中で一番新しかったのが「私を愛したスパイ」で日本公開が1977年12月24日で、その年のお正月映画の大本命だった。その他には「オルカ」「カプリコン・1」「ガントレット」などが公開されている。

その「オルカ」を先日BSで公開以来初めて再見することができたが、クライマックスの氷河での決闘など、しっかりと覚えていて驚いてしまった。モリコーネの音楽は当然としてシャーロット・ランプリング、ボー・デレクの美しさも印象的だった。

オルカ<HDリマスター版> [DVD]

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 2枚目には定番の名曲が収録されているが、新しいところで「ロッキー」と「エクソシスト」が収録されていたのが嬉しかった。

このように今となってはほぼオリジナル音源で聴くことができるが、この時代ならではの雰囲気あって楽しいというのも、まさにリアル中二病の映画と音楽だからだろう。

ただ1978年くらいになるとインナーの内容は少々物足りなくなってくる。それでもモノクロながら、こうして名場面が並んでいるだけでもテンションが上がるから不思議なものである。

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