ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

映画「岸辺の旅」

久々に自転車で買い物に出かけた。わずか10分足らずで息が切れた。台風の接近で雲行きが怪しい。明日から3連休という方も多いだろうが、自分には関係のない話だ。

昨夜、映画「岸辺の旅」を見た。黒沢清がただの夫婦の物語を撮る訳がないと思っていたら案の定だった。いきなり深津絵里の元へ浅野忠信が「おれ、死んだんだ」と尋ねてくる。ここまで3年かけて、旅をしてきたという。そして彼女を、その旅に連れ出す。そこには恐怖はなく、ただ安堵があった。たんたんとした描写がユニークだ。そして妻を亡くした新聞配達の男や、妹を亡くした食堂の夫婦の元を訪れる。だんだんと事情が分かってくる。最後に夫を亡くした村の一家を訪ねる。滝壺にあの世への通り道があるという。自然の中にある不穏な空気感が伝わってくる。ラストも淡々と描かれる。ところどころ大仰な曲が流れるが、らしくない。ピアノの曲が印象に残る。音楽が大友良英。深津の自然な存在感が良かった。

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