ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ルグランのおもいで(の夏)

NHKのニュース。昨夜の7時と今朝の7時のトップは同じだった。国民的グループ(?)の嵐が2020年いっぱいで活動休止とのこと。ファンの方には申し訳ないが、「なんだかなぁ」って思う。

方や26日に亡くなったミシェル・ルグランについては目にすることができなかった。フランスの作曲家の訃報では仕方がない。ネットで「マクロン大統領とアニエス・バルダらが追悼」との記事を読んだ。嵐とルグランを比較するのもなんだが、文化の違いを感じざるを得なかった。

ルグランのレコードを初めて買ったのが1978年だった。手塚治虫の「火の鳥」を市川崑が映画化し、テーマ曲をルグランが作曲した。そのテーマ曲を交響組曲にしたアルバムだった。

その壮大で流麗なメロディーに魅せられて、繰り返し聴いたものだった。そのB面にはルグランが担当した映画のメドレーが収録されていた。これがまた素晴らしかった。「おもいでの夏」「シェルブールの雨傘」などの美メロの断片がキラ星の如く流れる。ルグランのサントラを集める源流となった。そして、松崎しげるが歌ったシングル盤まで購入した。作詞は谷川俊太郎

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同じ頃、テレビで映画「おもいでの夏」を見た。映画そのものよりも、あのメロディが流れてきただけで感動してしまった。それ以来、夏の終わりには聴きたくなってしまう。それもCDではなく、プチプチとノイズが入る古いレコードだ。そこに思い出が染み込んでいる。

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翌年「ベルサイユのばら」も映画化され、ルグランが音楽担当になった。こちらは原作漫画は読んだが、映画はスルーしてしまい、音楽も記憶にない。当時はドゥミ監督の偉業など知る由もなかった。上京してから「ローラ」「ロシュフォールの恋人たち」などを見て、夢中になった。そして決定的だったのが映画「愛と哀しみのボレロ」だった。ルルーシュ監督とフランシス・レイの名コンビにルグランが加わった豪華な映画だ。この映画でのルグランの音楽が、レイとの相乗効果で最高だった。

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特に「世紀末の香り」は初めて映画館で観た時から脳裏に刻まれた。暗いボクシングシーンから突然、明るい海上シーンになり、この曲が流れた時の感動!これは映画館で観ないと味わえなかっただろうエモーショナルな体験だった。ルグラン自身による歌声も素晴らしい。


映画『愛と哀しみのボレロ』より”世紀末の香り Un Parfum de Fin du Monde” original sound track

それからは後追いでルグランが音楽を担当した映画を見続けた。残念ながらリアルタイムでは多くを見ることはできなかった。

ネバーセイ・ネバーアゲイン

「想い出のマルセイユ

プレタポルテ

レ・ミゼラブル

以上が映画館で観て、サントラを購入した作品である。映画館で観たもののサントラを購入できなかったのが「遠い日の家族」だった。

逆に映画は見てないものの、サントラだけ購入した作品は数多い。さらに、彼が担当したジャズやイージーリスニングのアルバムまで手を伸ばした。以下はそのごく一部。

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来日コンサートに行けなかったことが残念である。それでもテレビでは何度かその姿を見ることができた。「題名のない音楽会」で羽田健太郎とのピアノ演奏も忘れられない。

そして今夜のNHKニュース。さすがにトップは国会だったが、またも嵐の話題。さすがにどうかと思う。