ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

太陽と戦慄〜ヒリヒリするドラマ

9月も中旬なのに、まだまだ暑くてエアコンが消せない。

頭も朦朧としたままで、何も書く気になれないままだ。そろそろ何か書かないと、このまま終わってしまいそうなので、無理に書いてみることにする。

今朝の「あまちゃん」ではアキとユイの関係性が印象的だった。アキは太陽で、ユイは月ということ。そして元カレの先輩に対するユイの考え方に戦慄するアキ。こういう田舎の恋愛事情はけっこうドロドロでヒリヒリする。まるでキング・クリムゾンのアルバム「太陽と戦慄」みたいだ。今でもこのアルバムを聴くには覚悟が必要だ。それでも、その音数の少ない前衛的な旋律は、大友良英の劇伴にも言えることでもある。


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こうしたヒリヒリした感じは昨夜が最終回だった「ハヤブサ消防団」にも一貫して流れていて見応えがあった。田舎の閉塞感と宗教への拒絶感が重苦しくも、ドラマとしては実に面白かった。残念ながら最終回は駆け足で終わってしまったが、中盤での川口春奈演じるヒロインが宗教に魅せられていくエピソードは丁寧に描写されていてゾクゾクしたものである。

ゾクゾクすると言えば、その後に放送されている「彼女たちの犯罪」もそうである。こちらは来週が最終回であるが、犯罪の全貌はだいたい判明したので、あとはどのような結末を見せてくれるか楽しみである。ストーリーとしてはけっこう荒っぽいところが多々あったものの、アラサー女性の群像ドラマとして見応えがあった。

一応、メインは深川麻衣前田敦子石井杏奈の3人ということになるが、犯罪の要でもあった(「シッコウ!!」にも出演していた)さとうほなみ(ほな・いこか)から目が離せなかった。その他にも朝倉あき南沢奈央も出演していて地味ながらも魅力的な女優の競演が楽しかった。

そんな中でゲスの極みの男を演じていたのが毎熊克哉で、深川とは朝ドラ「まんぷく」で共演していたが、個人的には芳根京子の相手役だった「半径5メートル」が印象的だった。また、石井は映画「心が叫びたがってるんだ。」で芳根と共演しており、前田はその映画の原作を書いた岡田麿里の自伝的ドラマ「学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで」のヒロインを演じている。

ちなみに脚本を担当した田辺茂範は芳根がヒロインを演じた「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」も書いている。原作は「ルパンの娘」の横関大。池井戸潤の「ハヤブサ消防団」もそうだが、ヒリヒリする原作(ミステリー)のあるドラマは面白いということである。