24時間テレビで放送されたドラマ「虹色のチョーク」を見た。サブタイトルが「知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ」ということで、内容はそのままで素直に見て感動することができた。これが実話ということも驚きであったが、こんな素敵な商品があったことを知らなかったのが情けない。
とにかくドラマとしては単純に面白かった。アメリカ留学から帰国した世間知らずのボンボンが、知的障碍のある女性と知り合って変わっていく姿が印象的であった。ドラマを見ている視聴者も主人公の目を通して障碍者の置かれている現実を垣間見ていくことになる。ニュースでは何度か目にしている障碍者雇用の実態が分かりやすく描かれていたが、身体障碍者とは違った難しさがあると改めて思ってしまった。
健常者であっても上司から早くやれって言われたらプレッシャーを感じてしまう。それだけに知的障碍者に対してはより慎重な対応が求められることになるが、そこを間違えなければ健常者と変わらない貴重な人材となることがよく分かった。
しかし、障碍者にばかり気を取られていると健常者の社員に負担がかかってしまうこともある。ドラマでは「下町ロケット」にも出演していた今野浩喜演じる社員の葛藤も見どころであった。
だが、個人的には芳根京子演じる知的障碍を持つヒロインが仕事を通して生きがいを見つけていく姿に魅了されてしまった。それは昨夜、ネットで「芳根ちゃん」がトレンド入りしたという事実からも分かることで、ドラマを見た多くの人が芳根演じるヒロインに魅せられたということでもある。
雲と虹が好きな彼女は雨の日が好きということである。現実においても当地では今月になって天気予報に傘マークが付いた日は一度もない。今は天気予報に傘マークが出ることを待ち焦がれている状態である。
そして、雨が止めば虹が出る。ドラマでは劇伴として「オーバー・ザ・レインボー」も流れたが、個人的にはローリング・ストーンズの「シーズ・ア・レインボー」のピアノが流れてきたのに痺れてしまった。
まさに芳根演じるヒロインのテーマ曲みたいなもので、次のように歌われている。
青い服を着ている彼女を見たことがあるかい
目の前に広がる青空のよう
彼女の顔は帆のよう
白くて綺麗だ
彼女ほど綺麗な女性を見たことがあるかい
ストーンズのアルバムでは「サタニック・マジェスティーズ」が好きで、この歌は昔から大好きだった。このジャケットのような絵を虹色のチョークで思い切り描いてみたいなんてことを思ってしまった。それから、芳根が窓に絵を描いている姿を見て、水森亜土を思い出してしまった。