ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

【備考】幻の赤ちゃん

BS4Kでシーズン5の「幻の赤ちゃん」を見た。4月から放送時間が土曜の5時に変更になり、落ち着いて見ることができなくなってしまったが、久々にメアリーがメインの回だけに無理をして見ることにした。

ストーリーの中心はメアリーの妊娠ではあるが、邦題のようにそれは幻で終わってしまう。これまでも出産シーンはたびたび描かれてきたが、途中で流産してしまうことも多かったに違いない。シーズン1の「ジョーの約束」とシーズン4の「ベイカー先生休診」でもそんな危機的な状況が描かれていた。

だから当時としては決して珍しいことではなかったとはいえ、こうも次々と不幸に見舞われてしまうとメアリーの絶望感も半端ないといったところ。例によって、その表情が痛々しい。

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夫であるアダムはメアリーのことを考えて父親のいるNYで気分を変えさせようとするが、跡取りが欲しかっただけの父親は急に態度を変えてしてしまう。

アダムのためにNYへ行くことを受け入れていたメアリーだったが、本心では行きたくなかっただけにそれを聞いて喜ぶ。

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喜びの叫び

しかし、この先のことを知ってしまった今では、つい「もしも」を考えてしまう。誰しも、「あの時ああしていれば」と考えることはあることだろう。

それでもメアリーは盲学校の生徒を自分の子供と思うことで救われることになる。メアリーを母親のように慕う黒人の子供との交流が印象的だった。

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それに対してアルバートは臨時の若い女教師に恋心を抱く。まるでクレヨンしんちゃんみたいだと思ったら、4Kでの吹替は同じ小林由美子だった。ちなみに父親のひろしはチャールズの森川智之

このアルバートのエピソードは重いストーリーの息抜きになってはいるが、ちょっとチグハグ。もっと他に描くべきことがあったはずなのに残念である。

それは夫婦それぞれの家の問題である。アダムの父親はチャールズにNYに来ることを説得して欲しいと頼むが、チャールズは本人たちの問題だと断る。それでも本心ではメアリーに近くに居て欲しいと思っている。

子供ができることで、こうした家の問題が顕在化してくるのは今の時代でも同じことである。

たまたまゴールデンウィーク中に再放送されたドラマ「透明なゆりかご」でも描かれているが、その第6話について書いた記事がいきなり注目記事に入って驚いてしまった。

出産に関しては場所、時代を問わず普遍的なテーマということである。「大草原」でも出産に注目して見てみるのも興味深いと思う。これからメアリーだけでなく、ローラとネリーの出産も描かれる。ちなみに邦題で赤ちゃんが付くのは次の通り。

シーズン4「わたしの赤ちゃん」

シーズン5「幻の赤ちゃん」

シーズン6「メアリーの赤ちゃん」

シーズン7「ネリーの赤ちゃん」

それらを見て「透明なゆりかご」を思い出したのも必然だったのかもしれない。この時にヒロインを演じた清原果耶は16歳で、メアリーを演じたメリッサ・スー・アンダーソンに重なるような見事な演技だった。いよいよ来週から始まる朝ドラ「おかえりモネ」で成長した彼女を見るのが楽しみである。

北風小僧の寒太郎~太陽がくれた季節

この時期にしては強い寒気の影響で不安定な天気が続いている。さらに今朝は季節外れの寒さで起きるのが大変だった。

そんな寒い時に思い出す歌に「北風小僧の寒太郎」がある。起きてテレビをつけたら偶然にもその歌が流れてきて、思わず見入ってしまった。

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堺正章の歌で知られているが、その作詞をした井出隆夫が、山川啓介の本名ということは知らなかった。多くのヒット曲があるが個人的には1979年にゴダイゴが歌った映画「銀河鉄道999」とNHKが「未来少年コナン」の次に放送した「キャプテン・フューチャー」の主題歌が忘れられない。

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あの筒美京平が作曲して西城秀樹が歌った「勇気があれば」と「悲しき友情」も印象的である。

長野県佐久市出身で、北風が電信柱に当たって響く音を「ヒューン、ヒューン、ヒュルルンルンルンルン」と表現するセンスは見事である。

この歌は1974年から「みんなのうた」で放送されたとのことだが、自分の記憶にあるのは背景もすべて月岡貞夫のアニメになった1977年以降のものである。それこそドラマ「大草原」とセットで覚えているといっても良い。

そのアニメには新潟の日本海から越後湯沢を通り、三国峠を越えて東京に出て行く過程が印象的に描かれている。これは新潟出身の月岡が車で上京するルートそのものとのこと。

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アニメの中では寒太郎の見事な剣さばきも描かれているが、実家が副業として芝居小屋をやっていたおかげで、小さい時からしっかりと観察していたとのこと。

月岡といえば手塚治虫や3月に亡くなった大塚康生との親交でも知られているだけに、自主制作アニメだけでなく商業アニメももっと見たかった。

それでもマイペースで仕事を続けることができたおかげなのか、81歳の今でもお元気そうで何よりである。

なお、作曲者の福田和禾子が師事した一人がいずみたくで、いずみと山川が組んだ歌で忘れられないのが青い三角定規の「太陽がくれた季節」である。


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ちなみに雪国の冬は太陽がほとんど出ない太陽が暮れた季節でもある。人生においても青春は太陽が呉れた季節であるが、これからは太陽が暮れた季節に向かっていく。

それは仕方がないことだが、今年の冬のように大雪に見舞われることなく穏やかに過ごせることを願うばかりである。

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ドラマ「半径5メートル」

今日のNHKスタジオパークのゲストは芳根京子だったのに、当地では地元J2のサッカー中継でサブチャンネルでの放送もなく、がっかり。サッカーそのものは嫌いじゃないけど、珍しく事前に情報を得て楽しみにしていただけに、こんな時に限ってこんなローカルな番組をやらなくてもと思ってしまった。

どちらも一般的にはマイナーな存在だけに、多勢にはまったく影響はない。それでも地元J2のサッカーファンと芳根京子ファンでは前者に軍配が上がってしまうということである。

それでも昨夜から始まったドラマ「半径5メートル」は見ることができた。前々から楽しみにしていただけに期待も大きかったが、十分に満足することができた。4月からスタートした春ドラマでは「コントが始まる」と共に週末の楽しみになった。

芳根の役は、女性週刊誌『女性ライフ』の編集者。そこで芸能人のゴシップを追うが決定的な場面でミスをしてしまい、花形部署からマイナーな生活情報を扱う部署に異動になる。そこで永作博美演じるベテラン記者と出会い、身近なテーマに取り組んでいく。

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上が「一折」班、下が「ニ折」班

そんな芳根の姿にあの「チャンネルはそのまま!」の雪丸花子のキャラクターが透けて見えるのは仕方がない。それでも雪丸よりは生々しい女性の内面が垣間見られるところが嬉しいところ。冒頭、いきなり芳根の喘ぎ声から始まり、ラストでは早くも男の傍らで目覚めることになる。

そんな芳根の新たな魅力が満載で、それだけでも十分であるがストーリーも面白い。レトルトの「おでん」から男らしさと女らしさといった問題へとテーマが広がっていく。個人的にも最近おでんにハマっていただけにタイムリーな話題でもあった。

具材の蒟蒻からはドラマ「僕らは奇跡でできている」を思い出したが、脚本は同じ橋部敦子である。橋部といえば小芝風花が主演した「モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜」で(第39回)向田邦子賞を受賞したばかり。

そこでモコミは加藤清史郎演じるUber Eatsのようなバイトをする男に恋をするが、今回のドラマでは前田亜季演じる主婦の夫が働いていることになっていて印象的だった。前田といえば古沢良太が(第27回)向田邦子賞を受賞した「ゴンゾウ 伝説の刑事」が忘れられないが、その役名が(天野)もなみだった。高橋一生をしっかり認識したのもこのドラマだった。

そして今回、芳根京子の役名が前田亜季小芝風花を連想させる前田風未香というのが、あまりにも出来すぎである。このように自分にとって、色々な連想ができるドラマはそれだけで良いドラマである。

永作といえば1997年に放送された「青い鳥」が忘れられないが、もう50歳というのが信じられない。前田亜季が35歳で、芳根と小芝が24歳。それぞれ似たような雰囲気があるだけに、どのように年を重ねていくのか楽しみである。

【レコード】映画音楽4〜ジョーイ

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ジャケットの「ジョーズ2」と「死亡遊戯」からも分かる通り、この2枚組アルバムも1枚目には当時の最新作が取り上げられている。タイトルは「最新盤 映画音楽ベスト32」で演奏はアンサンブル・プチとスクリーンランド・オーケストラ。CBS/SONY発売。1枚目の収録曲は次の通り。

ジョーズ

グリース

サタデー・ナイト・フィーバー

コンボイ

死亡遊戯

サスペリア

アバ・ザ・ムービー

フィーリング・ラブ

スター・ウォーズ

未知との遭遇

スター誕生

ラストコンサート

ジョーイ

マイ・ウェイ

007/私を愛したスパイ

まさに当時、夢中になって観た映画ばかりである。残念ながらサントラ音源は一つもなかったが、今になって聴くとディスコ調の編曲が時代を感じさせて悪くない。個人的には「ジョーイ」のテーマ曲が聴けたのが嬉しかった。

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この中で一番新しかったのが「私を愛したスパイ」で日本公開が1977年12月24日で、その年のお正月映画の大本命だった。その他には「オルカ」「カプリコン・1」「ガントレット」などが公開されている。

その「オルカ」を先日BSで公開以来初めて再見することができたが、クライマックスの氷河での決闘など、しっかりと覚えていて驚いてしまった。モリコーネの音楽は当然としてシャーロット・ランプリング、ボー・デレクの美しさも印象的だった。

オルカ<HDリマスター版> [DVD]

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 2枚目には定番の名曲が収録されているが、新しいところで「ロッキー」と「エクソシスト」が収録されていたのが嬉しかった。

このように今となってはほぼオリジナル音源で聴くことができるが、この時代ならではの雰囲気あって楽しいというのも、まさにリアル中二病の映画と音楽だからだろう。

ただ1978年くらいになるとインナーの内容は少々物足りなくなってくる。それでもモノクロながら、こうして名場面が並んでいるだけでもテンションが上がるから不思議なものである。

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【レコード】映画音楽3〜リップスティック

中学生になると学校で割引券が配られたりして、映画館に行くことが増えた。そして、FMで映画音楽の番組を聴きながら、エアチェックする回数も増えていった。

その時のカセットテープはもうないが、レコードを聴くと懐かしく思い出すことができる。

当時のスターだったアラン・ドロンとシルビア・クリステルがジャケットを飾った2枚組のレコードには、1976年頃の映画の記憶が詰まっている。

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収録曲は次の通り。

▪️1枚目

ダウンタウン物語

華麗な関係

ザッツ・エンタテイメントPart2

ブーメランのように

カサンドラ・クロス

キングコング

サイレント・ムービー

名犬ウォン・トン・トン

ラスト・コンサート

がんばれ!ベアーズ

タクシー・ドライバー

オーメン

リップスティック

カッコーの巣の上で

▪️2枚目

ベンジー

続エマニエル夫人

ジョーズ

タワーリング・インフェルノ

エマニエル夫人

追憶

燃えよドラゴン

小さな恋のメロディ

ゴッドファーザー

ある愛の詩

ロミオとジュリエット

太陽がいっぱい

エデンの東

禁じられた遊び

サントラ音源は「華麗な関係」だけだったが、編曲はかなりオリジナルに寄せていて違和感がなかった。それだけに当時、FMから流れていた曲をリアルに思い出すことができた。ここに収録されている曲はほぼエアチェックしたと思う。

特に1枚目に収録された曲は当時の最新映画で「カサンドラ・クロス」と「キングコング」は1976年の正月映画の目玉だった。そのゴールドスミスとバリーの音楽を初めて聴いた時の不思議な感覚は今でも覚えている。

それから同時上映で観た「オーメン」と「リップスティック」の衝撃たるや忘れられない。アカデミー音楽賞を取った「オーメン」は当然だが、「リップスティック」を担当したミッシェル・ポルナレフ電子音楽にも魅せられたものである。その音楽は今でも全く古びていない。

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レコードのタイトルは「愛のロードショー 最新映画音楽全曲集」。演奏はフィルム・シンフォニック・オーケストラで、いかにもそれっぽい。発売はポリドール。

インナーの解説はモノクロだが、このデザインはブログみたいで悪くない。こうしたカタログ的なレイアウトには無意識に影響を受けているかもしれない。

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なお、ジャケットの二人が共演した映画「エアポート’80」も映画館で観ているが、数年前にサントラが発売された時は嬉しかったものである。

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