ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

歌姫とスイーツ

朝から雨でも、ホッとする暖かさ。

今朝の朝ドラ「ブギウギ」は最終回。ヒロインのラスト・ステージで編曲を変えた「東京ブギウギ」が歌われた。個人的には「ラッパと娘」が良かったけど、やはりタイトルが「ブギウギ」だし、初回でも歌われているから当然の帰結。それでも舞台セットとステージ衣装は最後に相応しくて美しかった。

このステージを見ていたら昨夜に放送された中島みゆきの紅白の舞台が思い出された。朝ドラ「マッサン」の主題歌「麦の唄」を歌った中島のパフォーマンスは圧巻だった。傍らにはヒロインを演じたシャーロットの姿もあった。その涙ぐむ表情は実に美しかった。そのシャーロットを見ていたらマライア・キャリーを思い出してしまった。

奇しくも同じ日に4kでマライアが1996年に東京ドームで行った来日コンサートの模様が放送されていた。このコンサートには残念ながら行けなかったが、この頃はマライアに夢中になっており「Fantasy」が収録されていたアルバム「Daydream」をよく聴いていた。しかし、翌年に発売された「Butterfly」からは熱が急に冷めてしまいCDも購入しなかった。


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このMVを見ると当時の生活が鮮明に思い出される。二人でビデオを見ながら、来年の3月見に行きたいねって話したことは忘れられない記憶である。つまり、コンサートに行かなかったというのはそういうことである。

当時は新築のアパートに越したばかりで、色々な電化製品を購入している。テレビもまだブラウン管ながらワイドな画面になり、この年にWOWOWに加入している。Marantzのステレオは壊れてしまったが、BoseのスピーカーとSonyのレコード・プレイヤーは現役である。

今朝の「あさイチ」にゲストで出演した北村一輝は80年代のラジカセなどを集めるのが趣味だと語っていたが、さすがに学生時代に使っていたラジカセは壊れてしまい捨ててしまった。それでも90年代以降のカセット&MD付きのコンポなどは現役で残っていて捨てられないままである。

その北村と「波よ聞いてくれ」で共演した小芝風花が主演した「大奥」も、昨夜が最終回だった。残念ながら2話で見るのを止めてしまったが最終回だけでも見てみることにした。チグハグなところは相変わらずで、田沼意次役の安田顕の熱演が空回りしたスイーツ大奥であったが、小芝に届いた手紙の箱に見覚えがあった。

大好きな文明堂のカステラが入っていた箱で、自分も大切なものを入れていたことを思い出したので探してみた。そうしたらタンス預金ならぬカステラ預金が見つかった。ご祝儀用に新札をストックしていた訳だが、新しいお札が出回る前に見つけてラッキーだった。それから前述のMDを保存するケースとしても使っていたようである。

スイーツといえばスイーツ大河の最高峰である「天地人」が4月からBS松竹東急で再放送されるようである。内容はともかく映像と出演者は美しいので4Kで放送されるのを楽しみにしていたが仕方がない。このドラマで北村一輝上杉景勝を演じていたが、いかにもピッタリながらヘタレに描かれており残念だった。いつか、ちゃんとした脚本で見たい武将の一人である。

老いと音楽~寒水魚

昨日は一日冷たい雨が降り続いていたが、雨が止んだ今日もまだ寒い。

このところ音楽ばかり聴き続けていて、他に何もできないでいる。たまたま長年使っていたアンプの調子が良くなくて試しに安いアンプを新たに購入したところ、一気に音の解像度が上がってしまい新鮮な驚きがあった。

最近は老眼だけでなく耳の衰えもあって、音楽を聴いていても昔ほど楽しめていなかった。それがアンプを替えただけで激変してしまった。身体の衰えも技術でカバーできるということである。それなのに値段も重量も激減しているのだから凄い。

それでも一日に聴けるCDは3枚が限度である。時間にすれば3時間ほどではあるが、この時間で映画なら一本、ドラマなら4話くらいは見られるから、その分録画が消化できないということになる。何に比重を置くかも悩ましいところである。

できればインプットした分、ブログを書いてアウトプットしたいところではあるが、これが難しい。昔のようにスラスラと文章が書けないから、すぐに行き詰まってしまいタイピングが止まってしまう。頭にあるアイデアを形にすることの面白さを分かっていながら実現できないのがもどかしい。

かつて手塚治虫もアイデアはバーゲンセールしてもいいくらいあるけど、描けなくなったという悩みを語っていた。昔は見なくても綺麗な◯が描けていたのに、それが描けなくなったという苦しみ。老いは誰にも訪れる。

そんな天才の悩みに比べれば自分の悩みなど馬鹿みたいなことではあるが、当事者にとってみれば切実なことである。いずれは生成AIによって文章など簡単にアウトプットされてしまうのかもしれないけど、今はもう少し抗ってみるしかないのかもしれない。

ちなみに昨日聴いたCDに老いがテーマの歌があった。その一節は次の通り。

のぼりの傾斜は けわしくなるばかり
としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか

中島みゆきが昭和57年3月に発売したアルバム「寒水魚」の2曲目に収録された「傾斜」という歌であるが、抗うよりも諦めるのもステキなことかもしれない。

このアルバムには他にも「銀河鉄道999」の劇伴を担当した青木望による編曲が美しい「捨てるほどの愛でいいから」や「歌姫」なども収録されており、まるで「999」に登場するリューズの歌のようでもあり、個人的に忘れられない歌になっている。


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思い出を紡ぐ~シェルブールからロシュフォールまで

先週はずっと雪が降り続いていたので、久々の青空が嬉しい。

最近はテレビを見るよりも音楽を聴く時間のほうが多い。聴きたい曲はいくらでもあるので何を聴くかで迷ってしまうほどである。そこでランダムに聴いた曲を挙げてみる。

1️⃣「シェルブールの雨傘

前の記事では1996年頃に買ったと書いたが、実際は1997年1月14日(火)だったと日記に書いてあった。価格は3,160円だった。

昨夜は退社後渋谷に出てCD漁りををして2万円を消費した。新年早々残業続きなのに今後も忙しくなりそうで何だか心が折れそうな現状でのちょっとしたストレス解消ということ。

その後シネマライズにて「トレインスポッティング」を観た。若者でいっぱいの劇場に違和感を感じつつも映画にはハマった。やり場のない閉塞感は自分自身未だに拭い去ることができないでいる。しかし、ドラッグに走ることができない以上こうした映画を観ることがささやかな解放なのかもしれない。

そして今日は疲れがどっと出て、買ったばかりのCD「シェルブールの雨傘」などを聴き続けた。成人になった日ははるかな過去なのに成熟には程遠い。

この1997年は4月から消費税が3%から5%に増税された年で、その対応に追われていた。そのため日記にも書いてあるようにCDを買うことがストレス解消になっており、この時期だけでも相当の散財をしている。会社から渋谷まで20分という立地に恵まれていたのでショップに気軽に寄ることができた。当時買ったCDのサントラ盤はほとんどが廃盤となっている。

2️⃣ピンク・レディー ベスト・ヒット・アルバム

 1977年12月5日発売。初のベストアルバムでシングル「UFO」と同時発売。

🅰️面・・・・・

UFO
レディーX
ウォンテッド (指名手配)
逃げろお嬢さん
渚のシンドバッド
パパイヤ軍団
ゆううつ日

🅱️面・・・・・

カルメン'77
パイプの怪人
S・O・S
ピンクの林檎
ペッパー警部
乾杯お嬢さん
インスピレーション

久々にレコードで聴いたけど、CDよりも当時の記憶が鮮明に思い出されるから不思議である。特にシングルで発売されなかったヒット曲ではない歌が懐かしい。ラストナンバーでケイのソロで歌われた「インスピレーション」など最高である。


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3️⃣「人間万葉歌」

ピンク・レディーのヒット曲も収録されている阿久悠が作詞した歌謡曲が網羅されたCD5枚組の全集。八代亜紀の「舟唄」と「雨の慕情」が聴きたくて引っ張り出してきた。大竹しのぶが歌った「みかん」も大好きだった。


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4️⃣「恋の季節

山田太一の追悼で再放送されたドラマ「今朝の秋」を見直して改めて印象的だったのが、ピンキーとキラーズが歌った「恋の季節」。もう、しみじみと酔いしれることができる名曲である。とにかく、いずみたくのメロディが最高である。


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5️⃣「ロシュフォールの恋人たち

シェルブールの雨傘」のルグランとドゥミのコンビによる名作ミュージカル。こちらも大好きで、ピアノのメロディが忘れられない。


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日曜の夜のテレビ~水木しげると都倉俊一

また冬に逆戻りで寒い。なかなか炬燵から出られないけど、ブログを炬燵で書くことはない。

前回の「不適切にもほどがある!」でネットのコタツ記事が揶揄されていたが、もっともだと思った。昔は視聴率のことが多かったが、最近は一部のネットの声を拾い上げてネット騒然と題する煽り記事が目立つ。こちらは普通の感想が読みたいのに、そういう記事はなかなか見つからない。

当ブログでもアクセスが多いのは不倫をテーマにした記事なので、そうしたワードに飛びつく心理はよく分かる。それでも安易にネガティブなことは書きたくないとは思っているので、記事がバズったことは一度もない。それでも、じわじわと長い時間をかけて読まれるようになった記事は多いので、十分に満足はしている。

ちなみに一昨日に書いた「題名のない音楽会」の記事は久々にすぐにインデックスされて珍しくすぐに反応があった。それでも番組の中では10分足らずの尺だったので反響はごく一部といったところではあるが、あの演奏を見て検索した人がいたというのは素直に嬉しいことで、ブログを書く喜びの一つにはなると思った。

そんな感情を揺さぶる音楽番組が昨夜もあった。N響の2000回目の定期演奏会マーラー交響曲第八番が演奏された。そのスケールから滅多に聴く機会がないだけに貴重な放送だった。ゲーテの「ファウスト」をモチーフにした合唱は圧巻の一言である。

そんなゲーテの本を戦地に持って行ったのが水木しげるで、久々の「漫勉」でその緻密な原画を堪能することができた。折しも朝ドラ「ゲゲゲの女房」が再放送中で、何度見ても見飽きることがない。「漫勉」ではドラマにも登場した水木の長女と池上遼一も出演していた。

1968年に白黒で放送された「ゲゲゲの鬼太郎」の記憶はうっすらとあるが、その年に歌手としてデビューしたのが現文化庁長官で作曲家の都倉俊一である。昨夜の「カセットテープ・ミュージック」はスージー鈴木が都倉の楽曲を洗練された大衆性と分析していた。個人的にはリアルタイムで親しんだピンクレディの歌が忘れられないが、桑江知子の「私のハートはストップモーション」も大好きである。スージー1984年発売の少女隊「FOREVER〜ギンガムチェックstory〜」が最高傑作だと熱弁していたのが面白かった。


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それから昨夜はNHKスペシャル邪馬台国の謎に迫る」で卑弥呼シシド・カフカが演じていたが、いかにもぴったり。そこに現代の女子大生役として原菜乃華が迫っていくのが実に面白かった。

卑弥呼といえば手塚治虫が「火の鳥・黎明編」で登場させていたが、それを映画化したのが市川崑で、そのテーマ曲を作曲したのが上記の「題名のない音楽会」に登場したミシェル・ルグランだった。

「シェルブールの雨傘」と服部隆之

春の陽気。

今日の「題名のない音楽会」は、もうすぐ60周年ということで「私の音楽人生に影響を与えた名演の音楽会」と題した内容だった。その中でも服部隆之によって紹介された2007年放送のミシェル・ルグラン羽田健太郎の共演による「シェルブールの雨傘」の演奏は個人的にも忘れられないステージだったので、もう一度見ることができてラッキーだった。

とにかく「シェルブールの雨傘」は映画も音楽も大好きで、このメロディを聴くと条件反射的に涙が出てしまう。それは服部も同じようで、その演奏を見ながら涙ぐむ表情が印象的だった。

そんな訳でこの番組は永久保存版になってしまったが、その前にNHKの「名曲アルバム」と「2355」でも「シェルブールの雨傘」が流れていた。そこで気になったのがカトリーヌ・ドヌーヴが演じたヒロインの名前である。相手役のギイという名前は覚えていたが、肝心のヒロインの名前が出てこなかった。

正解はジュヌヴィエーヴで、さすがにこれは覚えられないと思ったが、意外に好きな映画でも役名までは覚えてないと改めて実感したところである。

サントラはずいぶんと昔(1996年頃)に2枚組完全版を輸入盤で購入していたが、今月末に日本盤が再発されるようである。

それにしても最近は服部隆之をテレビでよく見る。朝ドラ「ブギウギ」関連だけでなく、先週の「題名のない音楽会」には 映画ドラえもんのび太の地球交響楽」のステージにも芳根京子と共に出演しており、これも保存版になってしまった。

今は「ブギウギ」関連の音楽番組が多く放送されているので、とりあえず録画をしているが保存するかどうか迷っているところである。服部良一の歌では「東京ブギウギ」よりも「ラッパと娘」の方が好みで、ドラマでもこのエピソードは録画を残しているが、それ以外の歌まで残すとなるとけっこうな時間になる。人生の残り時間を考えて取捨選択することも悩ましいものである。

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