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ビートルズ・バラード・ベスト20

ビートルズ・バラード・ベスト20」は日本では1980年12月21日に発売された。クリスマスを見込んでのことだと思うが、このアルバムを自分は翌年の1月10日に購入している。ベストではあるが、初めてリアルタイムで購入したビートルズのアルバムだった。

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ビートルズのレコードを初めて聴いたのは中学の頃で、初期のベストである赤盤だった。そして高校に入ってから「サージェント・ペパーズ〜」と「アビー・ロード」を購入した。CDになってから全アルバムを購入したが、当時はこれで十分だった。特に「アビー・ロード」のB面は飽きずに繰り返し聴いたものである。

この「ビートルズ・バラード」は正式にCD化されていないが、レコードとしては珍しく20曲収録で1時間というボリュームで満足できる内容だった。特にジョン・パトリック・バーンによるジャケットのメルヘンタッチのイラストはお気に入りだった。後にこれがあの「ホワイト・アルバム」に使われる予定だったことを知ったが、いずれにせよレコードで手にすることができて良かったと思う。

同封されていた解説は立川直樹。当時大好きだったピンク・フロイドビリー・ジョエルヴァンゲリスなどの解説にも名前があり、今野雄二と共にもっとも信頼のおける評論家だった。その解説にバーンスタインの言葉が引用されており、妙に納得した覚えがある。

ビートルズサウンドは、バッハのフーガにも匹敵する美しさを持っている。あらゆる意味で彼等は、今世紀最大の作曲家である。今世紀ならずとも、少なくともシューベルトよりは上等だろう。

こうしたライナーノーツを一生懸命読んで知識を増やしていったものである。そのライナーにはまだ聴いたことのない多くのアルバムのことが書かれており、読みながらいつか聴いてみたいと夢みたものである。

それから40年、それらのアルバムはCDとして手元にあるものの、未だに封も切っていないものも多い。今は新しいものを聴くのがしんどくて、つい昔よく聴いたアルバムを選んでしまう。

今月はジョン・レノンの「イマジン」とジョージ・ハリスンの「オール・シングス・マスト・パス」も久々に聴き直したが圧倒的に素晴らしかった。

イマジン (2010 Digital Remaster)

イマジン (2010 Digital Remaster)

  • 発売日: 2010/10/04
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
All Things Must Pass (30th Ann) (Dig)

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 それらのアルバムをプロデュースしたフィル・スペクターが今月16日、コロナにより亡くなった。その罪を犯す前の姿は今年公開予定の(アルバム「レット・イット・ビー」制作現場の)ドキュメンタリー映画「Get Back」(ピーター・ジャクソン監督)でも見られることだろう。


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