ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ドラマ「玩具の神様」と詐欺師

テレビでショーンK氏の経歴詐称について報じていた。たまたま先日、報道ステーションを見たら、彼がコメントしていた。現内閣に対する批判だったが、柔らかな口調ながら的確なコメントに感心したものだ。だから、それ以上のことは何も分からない。

嘘をつくことは誰でもやっていることだ。その嘘を許容する範囲は人によって違うだろう。こんな嘘だったら、政治の嘘のほうがよっぽど悪質だ。誰もがコメンテーターの経歴を知った上でテレビを見ている訳ではない。

しかし、そこにお金が関わると内心は揺れる。嘘をついて、金を稼ぐことは許せないのだ。生活保護や議員報酬などの嘘に対する厳しい目。

一億総中流と言われていた時代には、皆がそれなりに豊かだった。でも今は多くの人々が重い税に苦しみ、余裕をなくしている。かくいう自分も無職になって初めて、こんなことを考えている。

ドラマや映画は基本的に嘘の世界だ。そこに一片の真実を見出し、感動したりする。映画を見て、つまらなくて騙されたと怒る人はいても、内容が嘘だからって怒る人はいない。虚実入り乱れたところに面白さがある。テレビもそんなものだと思っている。

先日、ビデオテープの整理をしていて見つけたドラマがある。NHKのBSで1999年に放映された倉本聰作のドラマ「玩具の神様」だ。全3話で4時間半は見応えがあるが、未だDVD化はされていない。

ドラマの主人公はドラマの脚本家。演じるのは舘ひろし。その彼の名を騙り、詐偽をはたらく男が中井貴一。虚像のドラマを創る脚本家を騙る詐欺師という、まさに虚実入り乱れたドラマ。その詐欺師が実に魅力的で、周りも騙されたことに気づかない。それはそれで幸せな共生関係が築かれていく。嘘の中の真実というものに気づかされる。

そんな中井を神様と慕うライター志望の永作博美演じるおもちゃが切ない。基本的に詐欺師というのは魅力的、というのが結論のようだ。

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