エイプリルフールの(翌日の)今日、映画「エイプリルフールズ」を見た。
このように書いた人は、これまでにも少なからずいたことだろう。だいたい公開日が2015年の4月1日(水)だったのだ。
でも、これはウソではなくて本当のこと。
昨夜、BSの日本映画専門チャンネルで放送されたものを録画して、それを見たということである。
すでに何年か前に放送された時に見ているが、内容はすっかり忘れていた。
古沢良太脚本の作品としては個人的にはイマイチだったが、戸田恵梨香と松坂桃李が結婚するキッカケになったとあれば見直さなければならないと思った次第。
松坂演じるニセ医者と彼に騙された戸田演じるコミ障の清掃員との顛末が中心になるが、そこに多くの人間模様が複雑に絡まっていく。
個人的にはあらすじを書くのが苦手なので、このストーリーを紹介するのは不可能である。
要は冒頭にも名言として出てくるように、嘘から奇跡が起こることもあるということ。嘘から始まった関係でも、そこに小さな真実があれば報われることもあるということか。
でも、そんなことはどうでもよくて、映画の醍醐味は気持ち良く騙されたかどうかということ。
その肝となるエピソードが戸田が持っていた拳銃。偽物だと思っていたものが実は本物で、残りの弾がいくつかで混乱が生じていく。この最後の銃弾の結果が感動的ではあるが、ちょっと分かりづらい。
その伏線となるのが少女誘拐のエピソードで、ここで一発撃たれていることを覚えておく必要がある。個人的にはこの少女のエピソードがお気に入りで、彼女が浜辺美波だったことは知らなかった。ここからわずか2年で映画「君の膵臓をたべたい」のヒロインになるなんて信じられない。ここが一番の騙されポイントかもしれない。
そしてもう一つ、高貴な老夫婦の休日が描かれるが、これは普通に感動的なエピソードである。そこには相手を思いやる美しい嘘と真実があった。富司純子演じる女性の言葉に救われることになる。
その他にも多くの嘘が描かれたが、宇宙人との交信エピソードは必要だったのか微妙なところ。浜辺美波とは逆に今と変わらない小野花梨に驚いてしまった。
それでも、やはり一番のサプライズは実際に戸田と松坂が結婚したということに尽きるだろう。その結果、当時よりも面白く、幸せな気分で見ることができたのは事実である。ただ、芋けんぴが食べたくなるので要注意である。