ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

広島と打ち上げ花火

ほぼ一ヶ月ぶりにまとまった雨が降り、気温も30度を下回った。その雨もゲリラ豪雨で、一気に激しく降り続き、あっという間に止んでしまった。こんな雨が降り続いたら、それはもう恐ろしくて不安になってしまうことだろう。

73年前の広島では黒い雨が降った。今でも映画「黒い雨」に主演した田中好子の入浴シーンが衝撃的で忘れられない。昨夜の「この世界の片隅に」でも、松本穂香の入浴シーンがあったが、一瞬で終了。せっかく撮ったのだから、夫の過去を妄想して・・・くらいの演技があっても良いと思った。今は当時のガールズトークが見ていて楽しいが、これから恐ろしい展開が待っている。それをどのように描くのかで、このドラマの真価が決まる。

今日、8月6日は奥菜恵の誕生日である。出身は両親とも広島とのことだ。毎年この日をどのように聞かされて育ってきたのか興味がある。舞台で「アンネの日記」を演じているが、残念ながらこれといった作品はない。2013年に公開された「夏休みの地図」が広島を舞台にしている。個人的には「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のなずな役がすべてだ。ここには少年が理想とする永遠の少女の姿がある。

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夜のプールのシーンはREMEDIOSの音楽との相乗効果で夏になると思い出す。ここには花火とともに少年時代の夏の日の記憶が刻まれている。


Fireworks (best scene)

そう、花火は夏の日の記憶を甦らせる装置でもある。そこには悲しい戦争の記憶も含まれる。花火は爆弾の製造方法と同じだという。長岡花火の正三尺玉が打ち上げられる際にはサイレンが鳴らされる。あのサイレンの音とドーンという地響きは、知らない戦争を感じさせる。

この夏はテレビではあるが、長岡花火を初めて2日間堪能することができた。NHKよりもBS-TBSの中継が素晴らしかった。司会の関根勤とゲストの平原綾香のリアクションが良かった。平原の「ジュピター」をバックに打ち上げられるフェニックスは今年も見事だった。感極まって涙ぐむ平原の表情も印象的だった。やはり花火には女性の浴衣姿が良く似合う。

花火の見せ方も空撮があったりとバラエティに富んでいて飽きさせなかった。NHKには見せてやる感が漂い、TBSには楽しんでもらいたい感が溢れていた。それは天にも伝わって、2日目の方が適度な風もあって絶好のコンディションだった。

打ち上げ花火は上から見ると球体を感じることができる。でも音はなかなかテレビでは伝わりにくい。それでも、こうしてテレビで楽しむのも悪くない。

若い頃には長岡の花火も隅田川の花火も実際に見に出かけた。横浜港では冨田勲の音楽をバックにした花火も見て、今でも忘れられない思い出だ。かつてはマンションのベランダから遠くの花火を見ることができた。今はベッドに寝転んで地元の花火を楽しむことができる。

楽しみ方は人それぞれである。個人的には映像と音楽に彩られた花火が好きだ。

「この空の花・長岡花火物語」(久石譲)

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(REMEDIOS)

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(同上)

「ミッドナイト・クロス」(ピノ・ドナッジオ)

このあたりは必見、必聴である。