ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

魅力的なドラマの始まり「アンナチュラル」と「anone」

今朝の冷え込みは凄かった。予報ではマイナス9度で、室温もエアコンを点けて6度しかなかった。日中も晴れたにもかかわらず0度に届かない有様だった。窓は凍り付き、屋根の雪の白さもまぶしいほどだった。

さすがにここまで冷えると晴れても外出しようとは思わなかった。そこで今日もテレビを見続けた。新しいドラマも始まって、さっそく引き込まれてしまった。

まずは坂元裕二脚本の「anone」。坂元ドラマをリアルタイムで見るのは2010年の「チェイス」以来になる。それも坂元脚本を意識していた訳ではないから、ようやく追いついたと言えるだろう。話題になった「mother」、「最高の離婚」も後追いだった。凄いと思ったが、それでも彼の最新作を見ることはなかった。1年前に話題になった「カルテット」さえ見なかった。

では、どうして意識するようになったかといえば、それはブログの存在が大きい。昔だったら週刊誌の、たとえば小林信彦のエッセイなどから情報を得ていた。その小林の連載休止の情報を得ようとネットを見てたら、あるブログに出会った。小林を敬愛しているだけあって嗜好が似ていて、世代的にも近かった。そのブログがやたら面白く、「カルテット」のことをべた褒めしていた。そんな訳で、満を持しての坂元脚本の最新作を見た。

もう初回だけで密度が濃すぎて圧倒させられた。あの「フランケンシュタインの恋」に通じる残酷なおとぎ話といったテイスト。想い出が生きていくための支えになるということ。そして記憶の上書きといった自分の好みが散りばめられている。

そのストーリーだけでなく、また風景が素晴らしい。幼き日の記憶に残る海辺の風車。そこには最近のマイブームである鉄塔がそびえている。もう、この場面だけでも大満足だった。

f:id:hze01112:20190302132603j:plain

そして、もう一本のドラマが「アンナチュラル」。「カルテット」の前に放映された「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子の脚本だ。もう、このドラマだけで次回作は見ようと思ったほど面白いドラマだった。映画も漫画原作でありながら素晴らしかった「俺物語」と「アイアムアヒーロー」があった。解剖医が主役のドラマでは波瑠が出た「ボーダー」がある。主演は石原さとみで似た雰囲気はあるものの、これが実に面白かった。ウィルス感染を扱って次々と新しい事実が判明していくスリリングな展開に目が離せなかった。初回だけで映画一本分の起承転結があった。

ゲストで登場した山口紗弥加は「直虎」で好演したばかり。黄昏時での二人のやり取りが印象的だ。これがきっかけでドラマは予想外の展開を見せる。女性の脚本家らしい女性心理のきめ細やかな描写がドラマを魅力的にしている。

f:id:hze01112:20190302132753j:plain

どちらのドラマもあまりにも濃いのでとても一回では消化しきれないと思った。いずれにしても新年早々にこうした魅力的なドラマに出会えたのはラッキーだった。