この土日、NHK総合では午後3時から「未来少年コナン」を集中放送した。これまで深夜に放送した6話分だけであるが、つい見始めたら最後まで見てしまった。もう数え切れないほど見ているのに、飽きることがない。
5話の「インダストリア」では拐われたラナと久々に窓越しに再会するところでエンドになった。この回が初放送されたのが1978年5月9日だった。もう早く続きが見たくて仕方がなかったのに翌週は修学旅行だった。当時はビデオデッキなんか無いから、見逃してしまったらいつ見られるか分からない。そこで知恵を絞って一人だけでそっとテレビを見た。そのシチュエーションとその回の面白さで忘れられない記憶になっている。
その6話「ダイスの反逆」で描かれたラナの救出エピソードは宮崎駿の名人芸が炸裂している。絶体絶命のピンチを乗り切る荒唐無稽なシーンでありながら、細部にリアリティがあるので嘘を信じることができる。もうワクワクして感情が揺さぶられてしまった。今では修学旅行の思い出の一つになってしまっている。
今やAmazon Primeでも全話見られるようだが、こうして日中にNHKで放送されたというのが、なんだか不思議な感じだった。あの頃の記憶が鮮明に蘇ってくる。あのワクワクした気持ちは消え失せることはない。ただ時だけが無情に流れ去ってしまったということである。
修学旅行の日程は5月16日(火)から18日(木)までの二泊三日で京都の東急インに宿泊している。金曜は休みで20日(土)の日記には次のように書いている。
また今日から学校でうんざり。そのうえ中間テストまで一週間しかないし、木曜にはマラソン大会もある。楽しかった修学旅行も終わってしまえばそれまでである。
部活はなかったので、すぐ帰宅したが勉強する気にはなれなかった。夜は見たいテレビがあったので勉強せずに11時就寝。
6:00〜6:45 大草原の小さな家「ネリーの落馬」
8:00〜9:15 刑事コロンボ「殺しの序曲」
「大草原の小さな家」ではシーズン3の「ネリーの落馬」を見ていた。そのシーズン3を今、BS4Kで毎週見ているが、当時の記憶はほとんど残ってはいない。それでも無意識の中には残っていたようで、時を経て夢中になってしまった。
同じ日には「刑事コロンボ」の「殺しの序曲」も見ていたなんて、すっかり忘れていた。それでも再放送されるたびに見ていたので、今はだいたい内容は頭に入っている。そのコロンボも大草原と同じ水曜の夜にBS4Kで放送されている。
こうして当時見ていた番組が今また時を同じくして放送されているというのも変な感じである。それも最先端の4Kでの看板番組みたいになっている。ハードは進化しても、ソフトは進化していなかったということだろうか。
前にネットで音楽は14歳だったか17歳だったか忘れたが、その頃に聴いていたものを聴き続けることになるといった記事を読んだが、映画やドラマも同じかもしれない。自分にとっては1980年を起点にその前後5年くらいのエンタメ作品がそれにあたるのかもしれない。