昨日に続き、３０度超えの暑さになった。さすがにエアコンなしでは過ごせなかったが、家の中にいても頭がぼーっとしてくる。それなのに外でマスクはちょっと考えられない。地方では都会のように外での人混みはまずない。その点だけは田舎者で良かったと思う。
そんな田舎生活を英語で言うとCountry lifeになる。とたんにお洒落な感じがしてくるから不思議である。「大草原の小さな家」では最初、ローラとメアリーはネリーに田舎者呼ばわりされてしまう。英語ではCountry Girlであるが、訳すると田舎娘で、やはり野暮ったい感じがしてしまう。
それでも都会生活に疲れてしまうと、田舎生活が素晴らしく見えてしまうこともある。今のコロナ禍で、多くの若者が地方に仕事を求めたくなったというのも分かるような気はする。映画館にも気軽に行けないような現状では、自分だってそう考えたかもしれない。
そんな田舎生活は、とにかく人間関係が煩わしい。その点を許容できるなら、自然が豊かな田舎生活も悪くないだろう。今日も買い物のついでに少し足を延ばし、近くの森へ行ってきた。田植えもほぼ終わり、新緑が目に優しい。
そしてＢＳ４Ｋで「大草原の小さな家」を見た。ここには理想的なCountry lifeが描かれている。ローラとメアリーの寝室は今でいうロフトだし、パッチワークの寝具がお洒落である。その服装もただただ可愛い。当初はほとんど気にならなかったが、繰り返し見て気づくことも多い。二人とも成長期だから服はすぐ小さくなってしまう。だから初登校の時も足が出過ぎてしまっているのである。それを皆からからかわれてしまう。
初登校の朝
この時にメアリーが着ていた服がローラのおさがりになる。だから、この服はローラのイメージであって、メアリーが着ているほうが違和感がある。
やがて馬車を使うことになるので、こうして丘を越えて歩いて出かける姿も印象的である。小さな家がある所は窪地でプラム・クリークが流れている。大昔の渋谷みたいな土地だったのかもしれない。
歩きながらローラは母さんの少女時代の話を聞く。母親の三つ編み姿は想像できないとのことだったが、視聴者はシーズン４の「母さんの初恋」で見ることができる。
ドラマでのCountry lifeはオルソン夫人のような癖のある隣人はいるし、様々な苦難に見舞われることになる。それでもCountry Girlsは明るく、前向きに生きていく。そんな姿を見ていると田舎生活も悪くないとも思えてくる。
小さなCountry Girlsは親からもらったお金で教材が買えないと分かると、親には内緒で自分たちのこずかいで補てんする。大きなCountry Girlは自らの短気で買ってしまったものを子供に内緒で素晴らしい贈り物に変えてしまう。そんなお互いを思いやる心が何よりも美しい。
Country lifeといえばRoxy Musicのアルバムを思い出す。内容はまさにオシャレなCountry lifeそのもので、デカダンで刺激的でもある。
その最後の曲がPrairie Roseである。Prairieと言えば、Little House on the Prairieという訳で、見事に重なってしまった。
この歌はテキサスについて歌っているが、Countryならどこでも良い。歌詞は次の通り。
そこが僕のいるべき場所
そんな気がするんだ
孤独な星が輝く
大いなる土地
広々とした空と君がつきあう
ああ、ツルバラよ
僕はどれくらい幸せになるべきなんだろう
僕から奪ってごらん
もうすぐ君の元へ行くよ
ああ、住むには最高の場所・・・
このアルバムが発売されたのが１９７４年１１月で、ほぼドラマが始まった頃と同じ。当時のレコードの解説は今野雄二だった。その彼が訳したPrairie Roseは野のユリだったが、今はツルバラになっている。個人的には直訳で大草原のバラで良いような気がする。ちなみにローズはローラの長女の名前でもある。
●北アメリカの中部、アパラチア山脈からロッキー山脈の間に分布しています。大草原に生え、高さは９０～１２０センチになります。葉は奇数羽状複葉で、緑色の小葉が７～１１個つきます。５月から９月ごろ、直径５センチほどのピンク色から白色の花を咲かせます。果実は丸く、赤色に熟します。
●バラ科バラ属の落葉小低木で、学名は Rosa arkansana。英名は Prairie rose, Wild prairie rose。
この歌に関してはブライアン・フェリーよりも、無名ながらいかにもCountry Girlといった感じのカバーが素敵である。
