シーズン3の「学芸会のできごと」の原題はLittle Womenで、「若草物語」のこと。小説は読んだことはないが、映像作品はいくつか見た記憶はある。その中でも1949年公開の映画は印象的である。
監督は「哀愁」のマーヴィン・ルロイ。メグをジャネット・リー、ジョーをジューン・アリソン、べスをマーガレット・オブライエン、エイミーをエリザベス・テイラーが演じている。
オープニングのクリスマスのシーンは、あの「プラム・クリークのクリスマス」を思い出させてくれる。
Little Women (1949) Trailer in Color
テイラーが演じたエイミーの性格と巻き毛がネリーそっくりで、末っ子という感じがしなかった。逆にオブライエンが演じたべスは儚くも幼い感じで、末っ子という感じ。メグを演じたリーは「サイコ」が強烈だったが、「刑事コロンボ」の「忘れられたスター」のようにゴージャス。アリソンが演じたジョーはアクティブなところがローラそっくりだった。
NHKで吹替放送された時はジョーが山田栄子、エイミーが高島雅羅というアンとダイアナに、ナウシカの島本須美がべスで加わるという最高の顔ぶれだった。自分の中では「大草原の小さな家」「若草物語」「赤毛のアン」は重なるところがあって大好きである。
ドラマでは髪の長いジニーという少女が登場する。ジニーは未亡人である母親のためにドレスをプレゼントするが、この費用を捻出した方法が「若草物語」のジョーと同じということである。
そうなると当然、劇ではジニーがジョーを演じることになる。そしてネリーがメグ、ローラがべス、メアリーが母親を演じる。オルソン夫人の脚本ではエイミーはいないことにされ、メグが主役になってしまう。べスといえばシーズン6でローラもべスと呼ばれることになる。
それでも、もし正しくキャスティングするならメグがメアリー、ジョーがローラ、べスがジニー、そしてエイミーがネリーということになるだろう。
オルコットによる小説は1868年に出版されているので、ドラマとほぼ同時代の物語ということになる。べスが猩紅熱で倒れるシーンがあるが、これはメアリーの悲劇を思い出してしまう。
ドラマではネリーの黒髪の鬘が強烈だった。今の相場は分からないが、その値段にも驚いてしまった。ネリーとローラの姿を見て、女性の髪への執着についても考えずにはいられなかった。