NHK総合で日曜の夜に放送中の「アンという名の少女」が面白い。昨夜は4回目でアンが初めて学校に行くエピソードが描かれた。
初めての学校というと「大草原の小さな家」の「わたしの母さん」のエピソードを思い出すが、どちらも朝のドタバタに期待と不安が入り乱れるところは同じものの、境遇はまったく異なる。アンの孤児で姉妹もいないという状況は、ローラとメアリーの比ではない。
学校へ行く途中で帽子を花で飾ったり、アルバートに「ニンジン」と揶揄われるエピソードなどは高畑勲のアニメ「赤毛のアン」とほぼ同じ。アンがグリーンゲーブルズに来る過程などは、そのままアニメを実写化したのではないかと思うくらいだった。どちらも原作に忠実ということなんだろうと思う。
でも、それまでの過去の描写は、実写だとあまりにリアルで過酷なものとなってしまう。今回もアンが男女の営みについて語るところは妙に生々しい。それがマリラをも巻き込んだ騒動になってしまう。当然、皆がアンを非難するが、マシューはそうした行為を見ざるを得なかったアンの境遇に胸を痛める。
このマシューのキャラクターがアニメとは大きく異なる。孤児院に帰ったアンを探して馬を走らせる姿など実にアクティブで恰好が良かった。個人的にはアニメの無口で小心者のマシューが好きだったが、これはこれで魅力的ではある。
フェミニズムの議論なども面白く、いかにも現代的なテーマをどのように描いていくかにも興味が出てきたところ。
好きなアニメーションの実写化というと、「荒ぶる季節の乙女どもよ」も面白い。こちらも性のテーマが赤裸々に描かれるが、それに振り回される姿はアンの頃と変わってはいない。ただ、ネズミが電車に変わっただけである。しかし、想像すること、妄想することは、女子も男子も変わらない。
アニメ版を見た時に実写化されたら誰が出演するか考えたが、山田杏奈は頭に浮かんだだけに、いかにもぴったりで、これはこれでありである。