ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

「ウルトラセブン」と「緑の光線」

 今朝の6時50分からBS4Kで「ウルトラセブン」の初回を見た。本放送は火曜の夜11時からでさすがに見るのは難しかったが、これで見続けることができる。

もう何度も見てはいるが、4Kで映像はより鮮明になり、まったく見飽きることはなかった。番宣でも紹介されていたが、夜のネオンや星の輝きが鮮やかに見えるようになったが、個人的には当時の日常描写が見ていて楽しかった。

ウルトラ警備隊の制服の生地までよく分かる。4Kでドラマを見ていると、ついファッションが気になってしまう。「大草原の小さな家」では生地を選ぶところから始まって、それがどのように作られ、受け継がれていくかまで見ることができる。

先日、朝ドラ「エール」を見ていたら森七菜演じるヒロインの妹の服が、ローラの着ている服に似ていると思って、花柄の生地に目がいってしまった。そうした細部が気になってしまうのも良し悪しである。

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ウルトラセブン」の内容についてはすでに語りつくされているから自分などが改めて書くようなこともない。それでも気になるシーンは色々とある。とにかく基本設定がしっかりしているので、ウルトラ警備隊の基地内や隊員たちの描写が見ていて楽しい。藤田進をはじめとした幹部たちの顔ぶれの重厚さにまず圧倒させられる。

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そして何といってもアンヌ隊員の魅力。初回からダンを信頼しきっている感じが、その視線からも伝わってくる。

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この主役とヒロインはクレジットでは別々ではなく、一緒に出る。一人だけなのは監督以外だと特殊技術の高野宏一だけである。それだけに宇宙人に攻撃されて爆破される工場のシーンは圧倒的である。

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夜の工場が好きなのも、こうしたシーンの影響があるのかもしれない。BS4Kではそんな風景も美しい。

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こうしたロケーションはそのままファンタジーの世界を連想してしまう。少し緑がかった感じは映画「オズの魔法使」に重なってしまう。

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こうした緑の光は別世界への誘いでもある。そんな緑色は人を幸福にしてくれる。大好きな映画「緑の光線」もそんな幸せな気持ちになれる映画である。wikipediaには次のように書かれている。

ジュール・ヴェルヌの『緑の光線』の話で、太陽が沈む瞬間に放つ緑の光線は幸運の印だという。「太陽は赤・黄・青の光を発しているが、青い光が一番波長が長い。だから、太陽が水平線に沈んだ瞬間、青い光線が最後まで残って、それがまわりの黄色と混ざって私たちの目に届く」という。もちろん、それを見た者は幸福を得られる。

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緑の光線

緑の光線

 

 ロックのコンサートでも緑の光線はよく使われる。ピンクフロイドだけではなく、これも先日BS4Kで見たペットショップ・ボーイズのライヴでも効果的に使われていた。80年代のロックが時と共に陳腐化していく中で、まったく古びていないのが驚きだった。音だけでなく、そのヴィジュアルも圧倒的だった。

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 ちなみに「ウルトラセブン」の第2話のタイトルは「緑の恐怖」である。

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