ささやかな日常の記録

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大草原の小さな家【シーズン5】1話~6話

◉シーズン5の初回「家族はひとつ」(1,2)は前後編で、インガルス一家の新たな生活を描く。舞台は都会に移り、まるで違うドラマを見ているようだった。それでも原題As Long as We're Together のように、この家族が「一緒にいる限り」ドラマの本質は変わらない。

チャールズとキャロラインはホテルで働き、これまでと違った気苦労を背負い、ローラはアルバートと知り合う。メアリーはアダムと盲学校で教え始め、16歳の誕生日を迎える。ここでのエピソードが例によって感動的。もうメアリーを見ているだけで泣けてくるのに、皆の優しさが追い打ちをかける。あのオルソン夫人でさえ涙ぐむくらいだ。そしてアルバートの境遇を知ったチャールズの優しさも印象的だった。

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◉「勇気をもって」(3)ではそんなアルバートが早くも大活躍。アメフトの試合に、障碍を巡る父と子の葛藤を盛り込み、印象的だった。障碍を防御(デフェンス)で克服するという大技に拍手喝采である。原題はThe Winoka Warriorsで、ウィノカ・ウォーリアーズというチーム名だったが、それを勇気にちなんでブレーブスに変えていた。

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◉「父の愛」(4)の原題はThe Man Insideで、男の内側といった意味になるが、要は外見より中身ということである。人はとかく見た目だけで判断しがちで、その内面を知ることは難しい。それを、盲学校の生徒は簡単に見抜いてしまう。そんな父親の真の姿を知ろうとしなかった娘が変わっていく姿が印象的だった。

そんな父親の声を演じていたのが(たぶん)高木均で、実に味わい深かった。この回が日本で初放送された1980年には大河ドラマ獅子の時代」にも出演していたが、何よりもテレビアニメ「銀河鉄道999」のナレーションが忘れられない。

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◉「なつかしの故郷へ」(5,6)は前後編で、さらに後編は70分というボリュームで早くもウォルナット・グローブへ戻る過程が描かれた。もう少し都会での生活も見ていたかったような気もするが、チャールズが耐えられる訳もなかった。ここでも独立記念日の花火が印象的で、それに後押しされるようにウィノカを後にする。そしてメアリーと別れ、その代わりにアルバートが加わる。

後編では町の再建が描かれるが、そこに病に倒れていた町の創設者ハンソンの姿を重ねて印象的だった。原題はThere's No Place Like Home で、「我が家に勝る所はない」という当たり前のこと。久々に家を見たチャールズとキャロラインの表情がそれを物語っていた。

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そんな訳で物語も新章に突入といった感じだろうか。シーズン5の初回が日本で初放送されたのが1980年9月13日。シーズン4の最終回が1979年3月24日だから1年半ぶりの再開だったということだ。そんなに待たされたという記憶はないが、それでも色々と変わったという感じは覚えている。

特にアダムとアルバートのことはよく覚えていた。松橋登と坂上忍の声もピッタリだった。子役としての坂上の記憶はないが、1986年の山田太一脚本のドラマ「深夜にようこそ」「時にはいっしょに」で見た時には驚いたものである。