今日は雪ではなく雨が降っている。雪は無音で降り続き、翌朝に世界を一変させる。それに対して雨はその存在をきちんと伝えてくる。豪雨は恐ろしいが、適度な雨音は心地良い。特に今は雪を溶かしてくれる雨はまさに恵みの雨だ。
そんな日曜日の午後、久々にCDで映画「日曜はダメよ」のサントラを聴いた。
日本では1961年に公開されたギリシャを舞台にした映画であるが、その音楽が実に魅力的である。映画はだいぶ前に見たような気もするが内容はもう覚えていない。でもアカデミー賞で歌曲賞を受賞したマノス・ハジダキスによるサントラはお気に入りである。あの「魅せられて」でも使われたブズーキによる演奏が印象的である。メリナ・メルクーリがレコードを聴きながら歌うシーンは魅惑的だ。
『日曜日はダメよ(Never on Sunday)』よりTa Paidia Tou Piraia 1960.
主題歌には多くのカバーがあるが大好きなジュリー・ロンドンの歌が良い。
New Wave27. Never On Sunday 「日曜は だめよ」 ジュリー ロンドン歌唱 日本語訳詞付
この曲を聴くと小学生の頃の日曜のお昼前のことを思い出す。当時、地元のラジオ局で放送されていた映画と同名の番組をよく聞いていた。リスナーからのドジ話を聞いて、「ダメでもともと!ダメでもともとじゃないすか!ど~んといきましょう ! 」と元気をもらっていたものである。
この番組は1975年から10年間続いたが、中学入学後は部活などで聞けないことが多くなったので、やはり最初の1年間の記憶が大きいようである。お昼前の11時から30分間はまさに至福のひと時だった。その前後の番組の記憶はないが、玉置宏の歌謡曲の番組なども聞いていたような気がする。
小学生にとってはAMラジオを一人で聞くことで大人の気分を味わっていたのかもしれない。このテーマ曲が艶っぽいことなど知らずに聞いてはいたが、映画音楽に親しむ素地の一つになったことは間違いない。
その番組のDJくず哲也が先週の日曜日(1月31日)に73歳で亡くなった。その訃報を知って一気にあの頃の思い出が蘇ってきたのは言うまでもない。