ささやかな日常の記録

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ジュリー・クルーズ

先月、6月9日に「ツイン・ピークス」の主題歌で知られたシンガーのジュリー・クルーズが65歳で亡くなった。デイヴィッド・リンチがプロデュースした2枚のアルバムは大好きで、よく聴いたものである。

1956年米国アイオワ州生まれ。シンガー、ソングライター、女優、ミュージシャン。 大学時代にフレンチ・ホルンを学び、ミネアポリス州の児童劇団で女優・歌手として活動する。その後ニューヨークへ拠点を移し、女優としてジャニス・ジョップリン役を演じるなどしていたが、やがて作曲家のアンジェロ・バダラメンティと出会う。1985年バダラメンティがスコアを作曲したデヴィッド・リンチ監督作品映画「ブルー・ヴェルヴェット」に出演したイザベラ・ロッセリーニのヴォイス・トレーナーとして起用され、劇中クロージングに使用されるデヴィッド・リンチ作詞による「愛のミステリー」を歌唱。その後も3人の関係は続き、全曲アンジェロ・バダラメンティ作曲、デヴィッド・リンチ作詞による1stアルバム『フローティング・イントゥ・ザ・ナイト』を1989年にリリース。1990年に全米でTV放送が始まったドラマ「ツイン・ピークス」に収録曲「フォーリング」「ロッキン・バック・インサイド・マイ・ハート」などが使用され大きな話題となる。1993年にジュリーが作詞・作曲に関わった1曲をのぞいた全曲バダラメンティ作曲、リンチ作詞による2ndアルバム『ザ・ヴォイス・オブ・ラヴ』をリリース。その後はバダラメンティ、リンチとの協力関係を解消し、2002年に3rd、2011年に4thアルバムをリリース。The B-52'sのツアーにヴォーカリストとして参加したり、オフ・ブロードウェイに女優として出演するなど活動を続けている。

彼女の歌を初めて聴いたのがリンチが1985年に監督した映画「ブルー・ベルベット」だった。この映画でイザベラ・ロッセリーニの歌唱指導をして、そのまま劇伴まで担当したのがアンジェロ・バダラメンティで、以後リンチと濃密なコラボを続けていくことになる。

ここでクルーズをリンチに紹介したのもバダラメンティで、そこで歌われた「愛のミステリー」Mysteries of Loveは個人的にもお気に入りである。


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後に発売されたサントラCDの解説は今野雄二で、それを読んで色々と納得したものである。

「愛のミステリー」を気に入ったリンチとバダラメンティはさらに追加の歌を制作して彼女のデビューアルバム「フローティング・イン・ザ・ナイト」(1989年)をプロデュースすることになった。そして、あの「ツインピークス」に至る。

このアルバムの2曲目Fallingがテーマ曲にアレンジされて、他の曲もドラマに使用されたことによりまるでサントラみたいなアルバムになった。個人的には本当のサントラよりもお気に入りである。

収録曲は以下の通り。

  1.Floating
  2.Falling
  3.I Remember
  4.Rockin' Back Inside My Heart
  5.Mysteries of Love
  6.Into the Night
  7.I Float Alone
  8.The Nightingale
  9.The Swan,
10.The World Spins

ドラマの中でも本人が歌った軽快なRockin' Back Inside My Heartも大好きである。


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この浮遊感は最高で、寝る前に聴くには最適だった。

次のアルバム「ザ・ヴォイス・オブ・ラヴ」は日本盤が発売されてから購入したが、前作ほどにはハマらなかった。それは映画「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」も同様でサントラも購入したが、TVシリーズに勝るものではなかった。

ヴォイス・オブ・ラヴ

ヴォイス・オブ・ラヴ

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