ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

【1982】理不尽な受信料

土曜日の祝日はちょっと理不尽な感じがする。

理不尽といえばNHKの受信料。3割増しになるからと急いで支払った人は、今どのように思っていることだろう。

現在、個人的には対価に見合った満足感を得ているのでもったいないとは思っていないが、かつては理不尽に思っていたものである。

1982年3月22日に東京での一人暮らしが始まった。その時はまだテレビはなかったが迷った末、28日に近くの電気屋で14インチの小さなテレビを購入した。本体が39,800円で、室内アンテナが3,800円した。上京する前のアルバイト代が43,350円あったので、これがテレビに化けたことになる。

貧しい大学生にとっては最初の大きな買い物で、室内アンテナで映りは決して良いとはいえなかったものの、これで深夜番組も堂々と見られると喜んだものである。ところが月末の31日にいきなりNHKの集金人がやってきて、有無も言わさず880円を取り立てた。3月としては4日間しか見ていないはずなのに一月分を払わされた訳だが、初な田舎者に反論などできなかった。

当時の日記には「どうやって知ったのか、その手回しの良さには舌を巻く」と書いたが、何も言えなかった無力感と理不尽さに苛まれたことはよく覚えている。こんな貧乏学生から取り立てなくても良いのにっていう思いは今でも変わらない。

果たしてセキュリティが厳重な高級マンションの住人は受信料を払っているのか気になるところ。実際に今でも田舎の方が都会よりも契約率は高いようである。税金にしても金持ちが優遇されて、消費税のように取りやすいところから取ることのほうが多いような気がする。

それから何度か引越をしたが、新築物件だと当然のように引越初日にどこよりも早くNHKがやってきた。こちらはきちんと手続きをしているのにもかかわらず、なんだか疑われているようで不快だった。

そういえば昔、高級マンションに住んでいた先輩OLが受信料なんて払ったことがないと自慢していたのを思い出した。当然、こういう人ほど前夜のドラマのことを熱心に話していたものである。

ちなみに当時住んでいた風呂なし、トイレ共同、四畳半のアパートの家賃は17,800円で、銭湯代が230円、新聞代が2,600円だった。こんな一人暮らし世帯と高級マンションに住む家族世帯の受信料が同じ値段というのも考えてみれば理不尽極まりないことだったと今にして思う。