ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

「VRおじさんの初恋」と「ブレインストーム」

昨日から降り続いていた雨は午後になってようやく止んだ。やはり夜明けは晴れていたほうが良い。

ドラマ「VRおじさんの初恋」の最終回ではVRサービスの「トワイライト」が新しく「デイブレイク」として生まれ変わった。黄昏れていた主人公はVR世界での初恋によって新しい夜明けを迎えることができたということ。

 野間口徹演じる中年サラリーマンの姿にかつての自分を投影することができたので、しみじみと共感しながら見ることができた。ただ、自分の場合はVRではなくて仕事帰りに一人で映画を観ることが癒やしだった。

主人公のナオキはVRで出会ったホナミに恋をすることになる訳だが、そのアバターを演じた井桁弘恵と倉沢杏菜がとにかく魅力的だった。当初は井桁目当てに見始めたが、だんだんとセーラー服姿の倉沢にも魅せられていった。

ドラマではナオキが務めるオフィスも舞台となり、そこでの人間模様はまるで「サラリーマンNEO」を見ているような面白さだった。特に堀内敬子演じるお節介な同僚とのやり取りは最高だった。 それと瀬戸芭月演じる無愛想な若手社員が少しずつ輝いていくところも印象的だった。

それから「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたVRでの鉄道旅を見ていたら、やはり「銀河鉄道999」を思い出さずにはいられなかった。井桁にもメーテルのイメージがある。

メーテルといえば映画で描かれた終着駅「惑星メーテル」でのシーンが忘れられないがドラマでもVR世界の終わりである終着駅が描かれた。そこで展開されたドラマはとにかく美しく感動的だった。ブラックホールに吸い寄せられていく球体にはVRでのアカウントが記されており、それはVRでのメモリーであり、走馬灯を見るという臨死体験にも通じると思った。

このシーンを見ていたら40年前に観た映画「ブレインストーム」を思い出してしまった。1984年5月9日に渋谷で観ており、日頃より夢の映像化ができれば面白いだろうなって考えていた自分にとって、この映画で描かれた感覚伝達装置というメカニズムそのものが夢みたいであった。ここで特に圧巻だったのが死の意識の映像化で、美しい天国のイメージが見事な特撮で描き出されていた。

そのシーンは今でも記憶に残っており、もう一度見直したいと思っていたが、なかなかその機会がなかった。そこで調べてみたら有料ではあるがAmazon Primeにあったので40年ぶりに見直すことができた。

とにかく「未知との遭遇」の特撮も手掛けたダグラス・トランブルによるイメージが素晴らしく、まさに今のVRを先取りしていた映画であった。ここでは死に際して、一つ一つの思い出が球体に閉じ込められており、それを一つずつ見ていくというイメージで最終的には光の中に吸い込まれていくというものである。

ジェームズ・ホーナーによる劇伴はまるで映画「エイリアン」や「スター・トレック」のジェリー・ゴールドスミスを彷彿とさせるイメージであったが、その続編を担当することになったというのも面白いものである。


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