ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

オリンピックと深津絵里

立春とは名ばかりの大雪になった週末。断続的に雪は降り続き、軽く1メートルは積もったというのに、今日になってもまだ降っている。

そのため雪にはうんざりしているので、オリンピックも見る気になれない。それでも開会式は4Kで見たがシンプルな美しさに魅入ってしまった。24節気の立春に向かってカウントダウンしていく映像表現は見事であった。さすがチャン・イーモウといったところ。

「HERO」「LOVERS」といった活劇が2008年のオリンピックだったとしたら、今回は「あの子を探して」「初恋のきた道 」「至福のとき 」といった映画を思い出した。特にチャン・ツィイーのデビュー作である「初恋のきた道 」は忘れられない。

素朴な田舎の少女が印象的なのはドラマ「大草原の小さな家」も同じで、今日はその原作を書いたローラ・インガルス・ワイルダーの誕生日である。この日は「クリスマス・キャロル」を書いたチャールズ・ディケンズの誕生日でもある。

大草原の「プラム・クリークのクリスマス」の回ではオルソン夫人がスクルージのようだというセリフがあるし、「クリスマス・キャロル」を原作にした映画「3人のゴースト」では主人公が少年時代に見ていたのがドラマ「大草原」だった。

そんなちょっとした関連を見つけるのが楽しい。そういえば今日は長野オリンピックの開会式があった日でもある。そんな日にジャンプで長野以来になる24年ぶりの金メダルのニュースが入ってきた。

24年前の1998年といえば、10月31日に「踊る大捜査線 THE MOVIE」が公開されたが、この日に上野の映画館で観ている。当時は深津絵里よりも水野美紀の方がお気に入りだったが、今は朝ドラのヒロインである深津に魅せられている。

当初、深津がジャズのレコード・コレクターになるのではないかと楽しみだったが、サッチモのアルバムを1枚買っただけで終わってしまった。まさか京都で回転焼きを始めるとは思わなかったが、今週には早くも3人目のヒロインとして川栄李奈が登場する。

川栄は昨年の大河ドラマ「青天を衝け」で徳川慶喜正室を演じていたが、そこで天璋院を演じていたのが上白石萌音である。深津も1998年の大河「徳川慶喜」で同じ天璋院役だった。

そんな深津の映画デビュー作は「1999年の夏休み」で、その時は水原里絵という名前だった。その後、「ステイ・ゴールド」(1988年)、「満月のくちづけ」(1989年)、「バースデイプレゼント」(1995年)、「(ハル)」(1996年)を映画館で観て、「踊る大走査線」に至る。その中でも初主演となった「(ハル)」は印象的でサントラも購入した。

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ドラマでは山田太一脚本の「想い出づくり。」へのオマージュのような岡田惠和脚本で、水野美紀中山忍と共に出演した「彼女たちの時代」が忘れられない。


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朝ドラでは、深津が大阪でシャーベットカラーのワンピースを着るシーンがあったが、まるでメアリーとローラが着ていたワンピースみたいだったのが印象的だった。

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昔々、アメリカで~映画とドラマ

久々に映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を見た。3時間49分の長尺なので途中でインターミッションが入る。そこで一旦切って、2日間で見ることができた。今は持久力が衰えてしまっているので、2時間見続けるのもしんどいくらいだが、最後まで面白く見ることができた。

1984年に公開された時からモリコーネの音楽と共に大好きな映画で、今回見た「完全版」がレーザーディスクで発売された時にも購入している。映画は長いので何度も繰り返し見ることはなかったが、サントラはよく聴いたものである。

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基本、暴力的な映画は好きではないが、そこにノスタルジーが加味されると大好きになってしまうから困ってしまう。とにかくモリコーネの音楽がこれでもかってくらいに甘美に響いているので、残虐なシーンなどでも陶酔してしまうほどである。

ギャングが主人公であるが、少年時代のエピソードは印象的である。ショートケーキで初体験ができるということで玄関前で待たされた少年の姿は、おかしくも切ない。そこにモリコーネの音楽が流れ続けるので妙な気持ちになってしまう。

それはロバート・デ・ニーロが演じたヌードルスの初恋にも言える。トイレの覗き穴からジェニファー・コネリーが演じたデボラが踊る姿を見続ける姿は、「アマポーラ」のメロディと共に忘れられない記憶になっている。

それはそのままヌードルスの人生そのものになっていく。この甘美な初恋と友情が、大人になってどう変化して、どのように決着をつけることになるのか。語られない35年の空白は自分の人生にも重なってしまう。

デボラを演じたエリザベス・マクガヴァンを久々に見て、なんとなく「大草原」のメアリーを演じたメリッサ・スー・アンダーソンに似た雰囲気を感じてしまった。メリッサ・スーの一つ上になるが、シーズン1の「ジョーンズおじさんの鐘」に出演したショーン・ペンとも噂になったことがあるようである。

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「大草原」といえばOnce Upon a Time というタイトルの回から、この映画のことを思い出している。

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この時(シーズン9)のローラの吹替は玉川砂記子に代わっているが、それまで長きにわたりローラの声を担当していたのが佐藤久理子である。今回、映画を見てからネットを検索していたら同姓同名の方の記事があった。

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自分の書きたいことを見事に文章化していて、納得することばかりだった。もし、同一人物だったら嬉しい偶然である。

映画「息子の部屋」とパルム・ドール

珍しく週末から雪も降らずに穏やかな日が続いたが、また明日から雪が降り続くようなので貴重な晴れ間だった。

積雪は大雪だった昨年と変わらず、すでに2メートルを超えている感じで、道路の標識もほぼ見えなくなっていた。

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最高気温も4度くらいまで上がるとさすがに暖かく感じてしまう。これで平年並みというから、これまでがいかに寒かったか分かろうものである。

そこで久々に寒い倉庫に入ってCDを探した。先週の木曜に放送された「2355」の映画音楽のコーナーで紹介された「息子の部屋」のサントラを探すためである。すると監督の過去作である「親愛なる日記」は見つかったが、そのサントラと主題歌が収録されたブライアン・イーノのCDだけが、またも見つからなかった。

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この映画を観たのが20年前の2002年1月26日だった。当時住んでいた地元のワーナーマイカルシネマで、この月には他にも12日に「アメリ」、19日に「バニラ・スカイ」を観ている。

『息子の部屋』(La stanza del figlio)は2001年公開のイタリア映画。監督、脚本、主演はナンニ・モレッティ。第54回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。

イタリアの小さな港町で暮らす精神科医のジョヴァンニは画商を営む妻パオラと息子のアンドレア、そして娘のイレーネと幸せに暮らしていた。しかし、ある日息子が突然事故死したのを機に平穏であったはずの生活は一変する。

映画の内容はあまり覚えてはいないが、イーノの主題歌は今でも鮮明に覚えている。


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二コラ・ピオヴァーニが担当したサントラには収録されておらず、イーノのアルバム「Before and After Science」に収録されているBy This Riverという歌がそうである。当時すでにイーノのCDは何枚も持っていたので、これを買ったのが映画を観てからだったのか覚えていない。

Before & After Science

Before & After Science

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このように40年前より20年くらい前の方が記憶がはっきりしないというのも、おかしなものである。

この映画が21世紀初のカンヌ・パルム・ドール作品になるが、これ以降のパルム・ドール作品で映画館で観たのは「戦場のピアニスト」(2002)と「ツリー・オブ・ライフ」(2011)だけである。「万引き家族」(2018)と「パラサイト 半地下の家族」(2019)はテレビで見た。

それに対して、20世紀に映画館で観たパルム・ドール作品は次の通り。

山猫(1963)
シェルブールの雨傘(1964)
ナック(1965)
男と女(1966)

タクシードライバー(1976)
木靴の樹(1978)
地獄の黙示録(1979)
ブリキの太鼓(1979)

オール・ザット・ジャズ(1980)
影武者(1980)
ミッシング(1982)
路(1982)
楢山節考(1983)
パリ、テキサス1984
ミッション(1986)
ペレ(1988)
セックスと嘘とビデオテープ(1989)

ワイルド・アット・ハート(1990)
バートン・フィンク(1991)
愛の風景(1992)
さらば、わが愛/覇王別姫(1993)
ピアノ・レッスン(1993)
パルプ・フィクション(1994)
アンダーグラウンド(1995)
秘密と嘘(1996)
うなぎ(1997)
永遠と一日(1998)
ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000)

地獄の黙示録」からリアルタイムで見始めているが、それ以前のものはリバイバルで観ている。その「地獄の黙示録」は「息子の部屋」を観た翌月の2月16日に同じワーナーマイカルで完全版を観ている。

【備考】わたしのママ~母と娘の物語

今朝の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でオダギリジョー演じる大月錠一郎の名前の由来が描かれた。そのシーンを見ていたら、「大草原」のチャールズとアルバートを思い出した。血は繋がっていないものの固い絆で結ばれた親と子のような関係。

それはるいにとってクリーニング屋の夫婦に重なるが、それでも産みの母親のことは忘れることはできない。

先日BS4Kで放送された「わたしのママ」を見て、前回DVDで見た時はドラマ「Mother」を思い出したが、今回はこの「カムカム」に重なってしまった。

目が見えないものの絵を描くことが大好きなアニーの絵が、ふとしたことで画商の目に留まり、スリーピー・アイの盲学校で個展が開かれることになる。その記事を見た産みの母親が一目会いたいと夫を使いに出すが、アニーは会いたくないと拒絶する。

幼い頃に盲学校の前に置き去りにされた記憶がよみがえり、その負の感情によって描かれた絵が強烈である。それだけ受けた傷が大きかったということでもある。

それにしても目が見えずに絵を描くことが可能かは分からないが、実際に盲目のカメラマンはいるので特殊な才能ということで理解はできる。ドラマで語られる絵の評価が印象的である。

彼女の絵には、美しさと苦悩が共存し

キャンバスの向こうに涙が見える

それはそのまま母親に捨てられたアニーの姿に重なってしまう。

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しかし、母親の立場になれば、娘と離れるにはそれなりの理由がある。それを知って和解するシーンがドラマのクライマックスになることが多い。

「大草原」ではウォルナット・グローブの教会で母と娘が対峙することになる訳だが、そこで明かされる真相に驚かされることになる。

ドラマ「Mother」でも松雪泰子演じる奈緒が、田中裕子演じる産みの母親と偶然に再会して葛藤することになる。このドラマでも母が娘を置き去りにしなければならなかった真相が強烈で、今でも忘れられない。

それだけに「カムカム」では深津絵里演じるるいが、どのように母親の安子の思いを知ることになるのか楽しみでならない。

ちなみに深津は1973年1月11日、松雪が1972年11月28日生まれで49歳になる。どちらも若い頃よりも年を重ねることによって、より魅力的になっている気がする。

アニーを演じたマデリーン・ストウは1958年8月18日生まれで63歳になるが、映画「ラスト・オブ・モヒカン」に出演した時には30を過ぎていた。こちらも年を重ねることによって魅力を増していったといえるだろう。

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ドラマでは16歳の少女を演じているが、先生であるメアリーと並ぶとやはり年上に見えてしまう。実際、メアリーを演じたメリッサ・スーよりも4歳上になるが、このツーショットは魅力的である。それだけにメリッサ・スーがマデリーンのように映画で活躍できなかったのが残念でならない。

それから、この回ではメアリーの母親であるキャロラインがおせっかいともいえる活躍で幸運をもたらすことになる。このキャロラインとアニーのツーショットも見どころであるが、DVDではスリーピー・アイへの道中のシーンがカットされていた。そんなに長いシーンではないのに不思議である。

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カレン・グラッスルはこの後、映画「ワイアット・アープ」 (1994年)に出演するが、同じ年にマデリーンは「バッド・ガールズ」に主演する。どちらも映画館で観て、サントラも購入した。西部劇を映画館で観ることができて最高だった。

特に「バット・ガールズ」は音楽をジェリー・ゴールドスミスが担当しており、夢中になったものである。

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なお、この映画が公開された前年の1993年にNHK取材班による本「ローラ&ローズ―大草原の小さな家・母と娘の物語」が出版されている。

この本をベースに新たな取材を加えて、そろそろ4Kで「大草原」の特集番組を制作して欲しいところである。

木曜の夜~大河と朝ドラに魅せられて

ようやく大雪警報も解除されて、外の雪は止んだ。三連休は穏やかだったが、この3日間の降りは凄かった。毎日、屋根の雪下ろしをしてクタクタになった。

こうなると気持ちに余裕がなくなってしまい、エンタメも素直に楽しめなくなってしまう。当然、ブログなど書く気にはなれない。

それでも寝る前には色々なブログを読んで刺激を受けて、自分も同じように書いてみたいと思うものの、なかなか実行に移せないのが現実である。

昨夜もベッドに入ってからiPadで多くのブログを読んだ後、自分のブログを見て驚いてしまった。筒美京平の「魅せられて」について書いた記事がいきなり注目記事でのトップになっていたのである。

これまでランクインしたこともない記事がいきなりトップになってしまうなんてことは初めてだった。それも1年以上も前に書いたものである。なんで今頃って思ったので調べてみた。

そうしたら昨夜NHK総合で放送された「日本人のおなまえ」で「魅せられて」が取り上げられたのが分かった。

ウルフルズジュディ・オング…ヒット曲の真相に迫る!

去年7月に亡くなるまで生涯現役を貫いた音楽プロデューサー『酒井政利』。酒井プロデュースで最大のヒットを記録した、ジュディ・オングの『魅せられて』。名曲誕生の舞台裏を徹底取材!

番組を見ていないので詳細は分からないが、「魅せられて」と映画「エーゲ海に捧ぐ」との関連が伝えられたのか、この二つのワードで検索した人が多かったようである。

自分にとっては「魅せられて」と言えばエーゲ海をすぐに連想してしまうが、意外とそうではない人が多かったようである。

歌詞のWind is blowing from the Aegeanをエーゲ海ではなくアジアから吹く風と思っている人も多そうである。ロックのASIAをエイジアと読むのと同じような感じかもしれない。

それにしても、さすがに地上波の番組はSNSでの反応も早い。この番組の視聴率がどのくらいなのかは分からないが、リアルタイムで見ている人が多いのが分かる。一気にアクセスが集中して、普段は読まれていない記事がいきなり首位になってしまうのだから凄いことである。

それだけに落ちるのも早そうであるが、とりあえず明日の土曜日に再放送があるようなので楽しみにしたいと思う。

 

個人的には木曜のNHKといえば、Eテレの「クラシックTV」と「2355」ということになる。

昨夜の「クラシックTV」は大河ドラマの音楽の特集で面白かった。

今回は「大河ドラマ」のテーマ音楽!ゲストは今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演している、俳優の宮澤エマさん!歴代の大河を彩ってきた音楽の魅力にもせまる。

60年近い歴史をもつ大河ドラマのテーマ音楽は、武満徹芥川也寸志池辺晋一郎など日本を代表する音楽家によって作曲され、多くの曲をNHK交響楽団が演奏している。ドラマの世界に寄り添った音楽は、印象的な映像とともに人々に記憶されてきた。時代とともに進化てきたテーマからみえる、音楽の変遷、そして現在は?▽龍馬伝のテーマ/ピアノ:清塚信也▽「いざ鎌倉」チェロ・バージョン~チェロ:宮田大

個人的には宇崎竜童による「獅子の時代」の音楽が至高なので、BSPで放送された新春スペシャルとともに紹介されただけでも満足であった。

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あとは現在4Kでも放送中の「黄金の日日」を担当した池辺晋一郎の音楽も「未来少年コナン」とともに忘れられない。

ただ、先日から始まった「鎌倉殿の13人」は早くも途中で挫折してしまった。全然、ストーリーが頭の中に入ってこなかった。自分にとっては幕末と戦国に挟まれた鎌倉時代は鬼門のようである。大好きな「黄金の日日」と「獅子の時代」に挟まれた「草燃える」と同じになってしまった。

音楽のエバン・コールはアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を担当しているが三谷作品には合っていないような気がした。

 

それから「2355」の映画音楽のコーナーでは大好きな「ロッキー」のテーマが流れた。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ではトランペットが重要なアイテムになっているが、この曲でのトランペットも最高である。


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「アナザーストーリーズ」でロッキーが取り上げられた時に作曲したビル・コンティが迫力を出すために自費でトランペットを増やしたと語っていたのが印象的だった。

るいにとってサッチモのトランペットが忘れられないように、自分にとってはロッキーのトランペットは忘れられない。ドラマではるいが初めてレコードを買うシーンが印象的だったが、自分も中学時代に初めて「ロッキー」のサントラを買った時の興奮は忘れられない。

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それからジョーの部屋にあった家具みたいなステレオが、自分が初めて貰ったステレオみたいで懐かしかった。

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