ささやかな日常の記録

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ドラマ「本当と嘘とテキーラ」

山田太一劇場で「本当と嘘とテキーラ」を見た。テレビ東京制作、松原信吾監督の5作目で最終作。前作から6年経った2008年放映。やはり、この時期のドラマは記憶に残っておらず、内容はすっかり忘れていた。

佐藤浩市が弱小コンサル会社の社長。危機管理から社員教育まで幅広く手掛けている。山崎努がユニフォーム会社の社長で、クレーム対応の教示を受ける。そのせいで解雇される社員が柄本明。これまでだったら、このまま企業ドラマになりそうだが、本作はそうはならない。

佐藤の一人娘の同級生が自殺したことで、家庭内に不穏な空気が生じる。いじめがあったのかと、学校と、それぞれの家族に疑心暗鬼が生まれる。中学生の娘役が夏未エレナ。大人っぽい雰囲気がとても凛々しい。とても中学生には見えず、女子高生の趣き。逆に「湯を沸かすほどの熱い愛」の杉咲花は高校生には見えず、中学生かと思っていた。

自殺した娘の母親が樋口可南子で、父親が益岡徹。この益岡の扱いが中途半端なので、疑似家族にならないのがもどかしい。「死ねば」という言葉の扱いも難しく、本当と嘘とのドラマがぼやけてしまった。

いじめをテーマにした映画やドラマは、いまや強烈なものが多く作られている。これが山田ドラマの節度でもあり、限界なのかもしれない。山崎が夏未エレナに「君は本当のことを言って立派だった」というシーン。ユーモアがあって印象的ながら、ちょっと絵空事にも思えてしまう。ラストもなかなか、こうはならないよなって思ってしまった。

音楽は横田年昭。フルートが印象的で、よくこういう人を見つけてくると感心する。当時の視聴率が4.4%って低すぎる。

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