ささやかな日常の記録

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ドラマ「高嶺の花」と自転車

ドラマ「高嶺の花」について書くのは難しいというよりも恥ずかしい。あまりにも性的なニュアンスが濃厚だからだ。石原さとみの唇のアップから始まって、昨夜はもうベッドイン?展開が早すぎて、ついていけない。

個人的に、峯田和伸はドラマ「奇跡の人」の印象が強すぎる。あのドラマでの高嶺の花だった麻生久美子との恋は凄まじかった。まさにロックというかパンクな峯田の真骨頂だった。それだけに今回の峯田の役はあまりにも大人しくて物足りない。

石原は「アンナチュラル」での抑えた演技が実に良かった。それだけに今回のような過剰な演技はあまり見たくない。それでも見ているのは彼女の妹を演じている芳根京子から目が離せないからだ。

正直なところ峯田と石原の関係はもうどうでもいい。気になるのは芳根と千葉雄大の関係だ。それだけに昨夜の目隠しのシーンは印象的だった。

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ネットでは違った意味で騒然としていたようだが、脚本の野島にしてみれば狙い通りだろう。母親役の戸田菜穂のシーンにしてもそうで、朝ドラ女優を汚そうとしているかのようだ。相変わらず欲望に忠実で、良い意味で変わっていない。悪く言えばマンネリだ。

ちょっと新鮮なのが引きこもり中学生が自転車で日本一周を目指すシーンだ。今クールのドラマでは、なぜか自転車が印象的だったりする。前の記事でも書いたが、「透明なゆりかご」での自転車のシーンは見事だった。「健康で文化的な最低限度の生活」でも自転車が活躍する。初回では川栄李奈吉岡里帆のために自転車に油をさしてやったりする。

そもそも、このドラマで峯田が演じているのが自転車屋なのだ。二人の出会いも自転車だった。パンクを直すことから、パンクの峯田をキャスティングして直人と名付けたのかとさえ思った。そもそもパンクとは既成の価値観を破壊する音楽だ。このドラマも伝統的なものの破壊と再生をテーマにしているのかもしれない。そういう意味では峯田の起用は正しい。

義母と娘のブルース」でも出会いは自転車だった。一生懸命、自転車に乗る練習をするシーンは微笑ましい。しかし、ブルースとは悲しみを表現する音楽だ。それだけに前回のラストは気にかかる。

その他にも記憶に残っている自転車が登場するドラマや映画は多い。自分にとっても学生時代はほとんど自転車通学だった。今でも自動車よりも、自転車に乗ることの方が多い。それでも最近のこの暑さでは自転車に乗るのも躊躇われてしまう。しばらくはドラマで風を感じていたいと思う。