超大型台風が接近しているが、今日のところは曇り空のままだった。雨風が強くなるとBSが映らなくなるので心配していた番組も無事に見ることができた。
週末イッキ見ドラマで山田太一作「家へおいでよ」全6話を見た。1996年10月にNHKで放送されたドラマだが、見た記憶はなかった。
「春の一族」と似た舞台設定ではあるが、印象はまるで違う。その違いが面白い。杉浦直樹が一人で住んでいた家へ若者たちがやってくる。筒井道隆、鈴木砂羽、小橋めぐみ、それぞれの事情が少しずつ明かされていく。
その背負った傷が共同生活の中で癒されていく。決してドラマチックなことは起きないが、その過程がスリリングだ。葛藤と和解の繰り返し。そして少しずつ距離が縮まっていく。
杉浦の何とも言えない存在感、不思議な魅力。姉役の岸田今日子も然り。鈴木と小橋の小悪魔的な立ち振る舞いも妙にエロティックで魅力的だった。
やはり、こうした中年男と若者との世代間ギャップの話が山田ドラマの醍醐味の一つだ。主人公自体の情けなさも含めて、人間のマイナス面が大きくクローズアップされる。そうした群像劇としても、舞台劇としても、とにかく楽しいドラマだった。
そして翌年、1997年の山田ドラマは「ふぞろいの林檎たちⅣ」の1本だけだった。そのドラマに新たに加わったのが中谷美紀。「恋のためらい」を経て1999年「ケイゾク」でブレイク。その彼女が映画でヒロインを演じた映画を2本見た。2005年の「電車男」と2011年の「阪急電車」。どちらも電車が舞台になっている。
「電車男」は当時ドラマを見た後でテレビで見たが、「阪急電車」は今回が初めて。以前BSで放送した時に初めだけ見て、つまらなそうだったので中断した覚えがある。それが今回見たら、その面白さに魅せられてしまったのだから分からないものだ。
中谷の他に戸田恵梨香、有村架純、宮本信子らが出演。その日常的なすれ違いや会話が楽しく魅力的だった。脚本・岡田恵和で納得した。中谷と戸田が同じ画面に居るだけで、もう満足であった。