ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ドラマ「けものみち」と「anone」第3話

東京では48年ぶりに最低気温がマイナス4度になったと大騒ぎ。こちらでは日中の最高気温がマイナス4度という極寒だった。雪も昨夜から降り続き、屋根の雪もあっという間に1メートルちかく積もった。そこで久々に小屋根の雪を下したが、さすがに氷点下での作業は厳しかった。10分足らずで息はあがり、手足は赤くなった。午後から入浴したが、冷えた体には極楽のようだった。体重も65.9キロになり、66キロを切ることができた。

ドラマ「けものみち」全3話を見終わった。生々しい人間模様に圧倒された。オリンピック直前の昭和の匂いが濃厚で、息苦しくなるほどだ。政界の黒幕を西村晃が演じ、名取との営みが実に狡猾でいやらしい。

その名取も山崎の頼みを胸に隠して奉仕する。その姿が女の情念を匂わせる。次々と映し出される顔のアップがまるで能面のような陰影を刻む。山崎は脇に徹しているが、やはりその存在感は大きい。

敵なのか味方なのか分からないままクライマックスを迎える。さすがにハッピーエンドにはなりようはないと思ってはいたが情に負けての逃亡は不幸ではない。

不幸といえば刑事を演じた伊東四朗が哀れだ。コロンボを彷彿とさせるくたびれ方で名取を追い詰めていく。だがそれは正義感ではなく、むしろ諦念に基づいた野望という屈折した心理というのが嫌らしくも人間臭い。

しかし、結局のところ巨悪には敵わず、いつの時代も悪い奴ほどよく眠る。オリンピック利権によって道路公団の役員が消されるという内容も、いかにもリアルだ。再びオリンピックを前にして現実でも様々な利権を巡る思惑が蠢いていることだろう。

さすがに松本清張の原作だけあって時代に翻弄される人間の生き様がリアルだ。それにしても山崎の正体は何だったのだろう。ドラマではCIAではないかと匂わせていたが、そうなるとスパイ活劇になってしまう。そうした展開で巨悪が倒されるドラマも見てみたいと思った。

f:id:hze01112:20190305164309j:plain

ドラマ「anone」第3回を見た。誘拐のドタバタが描かれて、とにかく面白い。犯罪現場でありながら、それぞれの思惑が微妙にずれていてオフビートな笑いを生み出す。なんとなく昔見たアキ・カウリスマキの映画を想起した。銃を突き付けられているけど妙に可笑しい。阿部サダヲと犯罪者の友人のかみ合わない会話が印象的だ。何も良いことがなかったと嘆く友人に対して、自分はがんで死ぬから生きろと説得すれども信じてもらえない哀しさ。そんな中で田中と広瀬の再会シーンには胸が熱くなった。しかし、河原で展開する身代金のやり取りは、遠景での描写で分かりづらい。背景に見える煙突と煙のように映画的なのだ。これでは視聴率は望みようがないと思った。

f:id:hze01112:20190305164345j:plain