台風19号は大きな爪痕を残して消えた。その惨状を見ると言葉を失ってしまう。そんな台風の最中に書いたのが前回の記事だった。
事前の情報で「救われた町」もあっただろう。しかし、河川の氾濫などで「救われなかった町」も多かった。
千曲川の堤防決壊は衝撃的だった。改めて自然災害の恐ろしさを思い知った。いつ、どこで被災者になるか、それこそ神のみぞ知るところだ。
地震、台風だけでなく、ウィルスの脅威もある。今年は早くもインフルエンザが流行しているという。来年のオリンピックで世界中から人が集まれば、リスクも高まる。未知のウィルスが持ち込まれないとも限らない。そんな時、どんな行動が取れるだろうか。ドラマで描かれたことは、決して他人ごとではない。
英雄的な行動を取ったチャールズ。感染したかも知れないので家族に近寄ることができない。離れた場所から、キャロラインを見つめる。暗闇の中でも、その美しさは分かる。昔の記憶が甦る。親の目を気にしながらも、別れ難かった頃の思い。
久しく忘れていた感情が呼び覚まされる。そんな想いを文章にするのが難しい。
ドラマでは妻と息子を失った男や、教会で死ぬのは怖くないと言う少女なども描かれた。名前も分からない男を看取ったと話すチャールズの苦悩。荒涼とした風景が、そうした心象を際立させる。
それだけに最後、久々に抱き合う姿に救われた。
今回の台風で亡くなった方はすでに50人を超えた。その現実を思うと胸が痛む。一日も早く、被災地が「救われた町」になって欲しい。