BS4Kでシーズン2の最終回「竜巻」を見た。冒頭、チャールズたちの家を竜巻きが襲う。納屋の屋根は吹き飛ばされ、子牛は瓦礫の下敷きになり、作物は根こそぎ持っていかれてしまう。その被害を前にさすがのチャールズも絶望してしまい、故郷の大きな森に帰ることを勝手に決めてしまう。その絶望したチャールズの表情が印象的だ。
わずか80ドルで土地を売りに出し、かつてここに住んでいた老夫婦が買いたいとやってくる。ここで過去と現在と未来が交錯する。土地に対する、それぞれの思いが胸を打つ。男は全てを捨ててやり直したいと思うが、女性は慣れ親しんだ土地に根ざしたいと願う。
ローラは父さんに力を与えて欲しいとオルデン牧師と祈る。しかし、同時に家に留まりたいという自分の願いも祈ってしまう。自分のことではなく、相手のことだけしか祈ってはならないというのは難しい。
メアリーはジョンから離れたくないと言われて戸惑う。いつの間にかそういう関係になっていたようである。
そしてチャールズは皆の思いを汲み取って最終的な決断を下す。独断ではなく、家族の総意ということが大切なこと。老夫婦も自分たちの失敗を繰り返して欲しくないので、その決断を受け入れる。神への怒りは、教会への寄付と言う形で解消されることになる。
シーズン2の最終回というだけでなく、これまでの物語の終着点としても文句のないエンディングである。絶望からの歓喜、大変なことはあるけれど、家族がいれば乗り越えられるという力強いメッセージ。
唯一、気になるとしたらメアリーとジョンの恋の行方くらいだろう。そのせいでもないだろうが、最後にはメアリーのテーマで締めくくられる。さすがに2回目ともなると映像だけではなく、音楽についても新たな発見があって楽しい。テーマ音楽だけではなく、いくつかのライトモチーフが耳に残っていく。特にメアリーのテーマはシンプルで美しいから分かり易い。これがシーズン3以降、メアリーの人生に深く寄り添っていく。
相手のジョンにはこれまで「思い出」のテーマが寄り添っていたが、今回はなぜかジョニーのテーマが軽快に流れる。これは男の夢やロマンを強調したかったのかもしれない。その他にも色々なメロディが流れて、最終回を盛り上げて印象的だった。
老夫婦を演じたE.J.アンドレとルリーン・タトルはこれまでにも別の役で登場している。特にアンドレは「父と子」の回ではエドワーズにライフルを売る商人役で出たばかりであるが、シーズン7の最終回にも重要な役で登場し、シーズン8ではチャールズと対決することになる。