BS4Kでシーズン4の「小さな恋、大きな愛」を見た。
邦題のようにローラの恋を描いた「小さな恋」とチャールズの仕事と家族への思いを描いた「大きな愛」のストーリーが同時進行する。
面白いのは当然、ローラの恋のパートではあるが、シーズン1の「ローラの初恋」の頃から何も変わっていない。落ち込むローラを励ますキャロラインの言葉もほぼ同じ。
シーズン2の「ダンスパーティ」では、ダンスに誘われるために悪戦苦闘して、「いつわりの友情」では、発明好きの少年に恋をして両想いになる。そのせいもあってか、シーズン3では新たな恋のエピソードは描かれなかった。
そして今回のエピソードでは、少しだけ大人に近づく。内面よりも外見を気にしてしまい、間違った方向に進んでいく。普段の三つ編みを解き、花柄のエプロンを着て、香水を付けて登校する姿が可愛い。
それなのに胸のないことを気にして大失敗をしてしまう。爆笑シーンではあるが、肉体的コンプレックスに起因することだけに切なくもあった。
事実、演じたメリッサ・ギルバートは大人になって実際に豊胸手術をしたが、後に元に戻したとのこと。子役時代にありのままの自分を肯定することを学んでいるはずなのに、女心は分からないものである。
それでも放送当時はローラのようなボーイッシュな少女は人気があった。「がんばれベアーズ」に出演したテイタム・オニールなど最たるもので、当時の少年は胸をときめかせたものである。
それでも少女は成長して女になっていく。テイタムも1980年には「リトル・ダーリング」に出演し、水着姿を披露している。映画の内容もサマーキャンプでロスト・ヴァージンを競うというもので、なかなか刺激的だった。共演のクリスティ・マクニコルとも色々あったようで、それは「大草原」での二人のメリッサにもいえることである。
当時の記録には次のように書いてある。
アメリカの跳んでる少女の冒険談で、日本の学園ものと変わりないが、主演の二人が魅力的でけっこう面白かった。サマーキャンプで知り合った不良(クリスティ)と優等生(テイタム)がライバル意識を燃やし、どちらが早くC体験をするか競うというストーリーだが、別にいやらしくもなく、ユーモアたっぷりに明るく描いていたので好感が持てた。「がんばれベアーズ」でファンになったテイタムは本当に美しくなって、彼女だけを見ていても退屈はしなかったが、主役はクリスティの方で彼女が恋をしてだんだんと女らしくなっていく姿が魅力的だった。
1984年にテレビ放送された時にはテイタムは柏原芳恵で、クリスティは冨永みーなが吹替だった。キャリーもしっかりと成長していたようである。
映画には色々なロックが流れるがジョン・レノンの「オー・マイ・ラブ」とスーパートランプの「スクール」が印象的だった。
二人のメリッサも同時期に「ラブ・ボート」にて水着姿になっている。このドラマでも二人のキャラクターが現代的なローラとメアリーになっているのが面白い。外見的なイメージは変わらないということでもある。
最近のドラマである「アンという名の少女」では体の変化ということで初潮を描いている。血を見て狼狽える姿が生々しいが、このシーンを見て思い出すのはやはり映画「キャリー」である。冒頭のシャワーシーンは衝撃的だったが、体の変化と共に精神に変化をもたらす象徴的なシーンだった。「大草原」では描かれなかったそうしたシーンを想像してみるのも楽しいものである。