サブスク全盛の今、レコードで音楽を聴いている人がどれ位いるのか分からないが、自分はその一人である。
まるで骨董品を見るかの如くジャケットを眺め、ライナーノーツを熟読する。昔はまるで本のような読むレコードすらあったほどである。音楽を聴きながら、そうした文章を読むのはまさに至福のひと時だった。
今は目も耳も老化が進み、かつてのような感動を覚えることも少なくなってしまった。それでも記憶の再生装置としての音楽はまだ有効である。
最近はどうも最新の映画やドラマを見るのがしんどくて、つい昔の作品を選んで見てしまう。そうするとそこで流れる音楽に反応してしまい、ついレコードやCDに手が伸びてしまう。
もう数え切れないほど聴いているのに、飽きることがない。それに対して新しい音楽を聴くと疲れてしまい、最後まで聴き続けることができない。
ブログも何か新しいことを書こうとしても、すぐ手が止まってしまって書き続けることができずに途中で投げ出すことが多くなってしまった。要は持久力や忍耐力といったものがなくなってきたということ。
そこで、もっと気軽に書くことにした。その日に聴いたレコードなどの記録である。そこに一言でも感想が添えられたら十分である。
今日は中学の時に貰ったレコードを久々に聴いた。
ジャケットは「ロミオとジュリエット」と「ロシアより愛を込めて」で、他に収録されている曲は次の通り。
Zの愛のテーマ
ひまわり
鉄道院
続・夕陽のガンマン
恋のおもかげ
第三の男
ヨーロッパ映画の定番といったセレクトだが、「Z」が収録されているのが渋い。それもサントラ音源である。作曲者は「セルピコ」のミキス・テオドラキス。昔からこの辺りの曲をしっかりと聴いていたおかげで、民族音楽にも抵抗なく入っていけたんだと思う。
同じことがジョン・バリーの「冬のライオン」にも言える。映画は見ていなくても007以上にカッコイイと思ったものである。その後、CDでサントラを購入して、ますますバリーに夢中になった。まさに、そうした原点になった曲である。
ジャケット内の読み物も充実しており、写真を見るだけでも楽しい。007シリーズはコネリーが再登板した「ダイアモンドは永遠に」まで紹介されていたので、発売されたのは1972年頃だろう。こうして半世紀も前に発売されたレコードを見て、聴いてみるのも、ちょっとした発見があって面白いものである。