ささやかな日常の記録

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【備考】暗闇に明かりを

現在、BS4Kでは午前9時から「大草原」のシーズン8がアンコール放送中である。そのため当ブログではシーズン8について書いた記事が多く読まれているようである。先日にはシーズン8、シーズン9、特別版がランキングで並ぶという珍しいことも起こってしまったが、少々複雑な心境である。

個人的にお気に入りの回は【備考】として余計なことまで書き加えているが、シーズン8で【備考】として書いたのはメアリーが登場した「クリスマスの思い出」だけだった。要はそれだけ書きたいことがなかったということでもある。

それだけに、そうした(書くのがしんどかった)記事が検索されてしまうのは、何だか違うような気がしてしまうから困ったものである。

そのため4K版を見て、とりあえず気になったシーンの画像を用意して書こうとしたものの、やはり何も書けなかった。そうこうしているうちに放送も残り少なくなってきたので、とりあえず画像だけでも活用しようと思い、長編の「暗闇に明かりを」を見直してみた。

この回で描かれるのはローラの娘であるローズの誕生とアルマンゾの闘病である。ローズは1886年12月5日に誕生し、アルマンゾは1888年に流行したジフテリアに罹り、その後遺症によって杖が離せない体になったようである。

この史実を同時期に起こったことに改変して、シーズン2の最終回「竜巻」のようなストーリーに仕立てたということであろう。とにかく、苦難が大きければ大きいほど、そこから立ち上がる姿が感動的になるのは分かるものの、正直くどすぎると思ってしまった。何よりも夫を支える妻であるローラが、母親になったというのに母性も感じられずに共感できなかったというのが一番のウィーク・ポイントである。

それでもシーズン9より見られるのは、そこに母性に満ちたキャロラインが居るからである。ローズを抱いて、アルマンゾに初めて見せるのもキャロラインである。そんなキャロラインはローラのために大切な皿をプレゼントするが、それをローラは投げ捨ててしまう。

その皿にはgive us this day our daily breadと刻印されている。これは食事の前のお祈りでよく聞く「私たちの日々の糧を、今日もお与えください」のことである。そんな大切な皿を割ってしまうほど絶望していたということであろうが、ちょっと同情できないレベルだった。それでも、アルマンゾのことで神に祈るローラの姿は印象的だった。

それだけにアルマンゾが改心するのがローラの祈りではなくて、野生のゼラニウムを見てというのが何だか物足りなかった。それでも、あのゼラニウムがやがてピンクの花を咲かせたと想像すると楽しい。ちなみにゼラニウム花言葉は色によって違うが、ピンクは「決心」「決意」ということである。

それから、あの黒猫は何の恩返しもせずに、ただローラを追い詰めただけだった。それでもグレースに抱かれた姿は可愛かった。名前はharapekoではなくて、kikiかkittyと言って欲しかった。それだけにグレースと黒猫が倒れたローラを救出するエピソードを見たかった。

それでもシーズン8では、この後の宗教的な最終回よりも、この回を最終回にした方が「大草原」らしくて良かったと個人的には思ってしまった。やはり、マイケル・ランドンは最後に自分が目立つストーリーで締めたかったということだろう。