ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

映画「スカーフェイス」(1984)

今から40年前の1984年は5月だけでも色々な思い出がある。5月15日の日記には次のような記述がある。

講義もレポートもなく、切羽詰まった状況でないために新宿にて映画鑑賞で時を過ごすという学生の特権を活かした贅沢を味わった。初回で空いている場内で指定席に座って封切り作品を観る時こそ最高の気分になれるという訳である。

その時に観た映画はアル・パチーノ主演の「スカーフェイス」だった。当時の鑑賞ノートには次のように書いている。

この興奮をどう表現したものか。とにかく2時間50分もの長尺を一気に見せてしまうデ・パルマ演出とアル・パチーノの熱演によって男の成功と滅びの美学を見事に描き出していた。バイオレンス・シーンはとにかく凄く、ラスト・シーンには度肝を抜かれた。ここまでリアルに巧みなカット割りで見せられると言葉を失ってしまう。

キューバからアメリカに渡って裏街道でのし上がりアメリカン・ドリームを実現した男の心情が印象的でもあった。非情ではあるが子供好きで、妹を(偏執的に)愛する喜びと苦悩。そうしたドラマ展開とバイオレンスとの相乗効果で圧倒的に面白い映画であった。

今ではカルト的な人気のある映画ではあるが、こうした映画が好きというのはやはり憚れるので、密かに偏愛しているといった感じであろうか。

当然、ビデオソフトが発売された時にはすぐに購入した。当時は2巻組で発売されており、1巻目のラストが大好きで何度も繰り返し見たものである。その後DVDを購入したのでビデオは処分した。


www.youtube.com

劇伴はジョルジオ・モロダーでサントラも愛聴盤である。特に「トニーのテーマ」はゾクゾクするようなカッコよさで、聴くと当時の興奮がよみがえってくる。


www.youtube.com

ミシェル・ファイファーとメアリー・エリザベス・マストラントニオも魅力的であるが、「大草原」ファンとしてはロバート・ロッジアとハリス・ユーリンが出演しているのが嬉しい。