ささやかな日常の記録

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ドラマ「燕は戻ってこない」第2話

第2話では代理母出産をしようとするリキと受ける側の悠子の事情が描かれる。稲垣吾郎演じるバレエダンサーの基と不倫の末に結婚した悠子についてはやはり共感するのは難しい。自分の優秀な遺伝子を残したいという基にもイラッとしてしまう。

それに対して今の境遇から抜け出したいと切実に願うリキの気持ちは痛いほど分かる。地方出身者がココから外に出たいという気持ちも同じである。どうしようもない閉塞感から自由になりたいという気持ちは自分も同じであった。

そんな悩めるリキに富田靖子演じる独身の叔母さんが、見せかけでもいいから早く結婚して世間の一員になれば自由になれると言う。朝ドラ「虎に翼」でも描かれたことが現代でも変わっていないということ。

それは女性だけでなく男性も同じである。会社員時代には宴席の度に上司から早く結婚しろと言われ続けたものである。ただ女性の場合は結婚しても子供はまだかって言われることになる。それでも独身よりは結婚したほうが良いと叔母さんは思っていたということである。

とにかく地方には娯楽が少ないがラブホはあるということで、リキも職場の上司と不倫することになる。その上司を演じるのが戸次重幸で、火曜日には朝ドラ「なつぞら」の再放送も見ているので北海道の方言が生々しく聞こえてしまう。

北海道では介護施設で働いていたリキは上京して派遣社員として病院の事務職となるが、手取りは14万で生活は苦しいということ。そこに追い打ちをかけるように雇い止めの期限が迫り、アパートではトラブルに巻き込まれてしまう。

自転車を洗わされるという理不尽な目に合わされていた時に叔母さんの訃報を知るが、旅費を工面できないというのが切ない。とにかくなんでも良いからお金が欲しいという気持ちは切実である。

その結果、代理母出産を決意して悠子との面談に臨むことになる。ここで二人は正式に出会うことになる訳であるが、その二人がこれからどのような選択をしていくのか楽しみである。

冒頭でリキはショーウィンドウに映る自分を見て、キャリアウーマンとして働く自分を想像する。一方で悠子も鏡に映る自分を見つめて気持ちが揺れる。

タイトルの燕ということでは今回、叔母さんの家にツバメの巣があることが描かれた。ツバメは渡り鳥だから暖かいところで冬を越して戻って来るが、戻ってこないというのはどういうことだろう。リキは地元には戻らないのだろうか。

続いて第3話も見たが、これはもう生々しすぎて書く言葉が見つからない。悠子と春画作家とのトークは面白いけど生殖の多様性にまで展開していくと頭が混乱してしまう。リキと悠子が鏡のある洗面所で対話するシーンはスリリングでエンタメとしては申し分のない面白さではあるが、感想を書くのはこの辺が限界のようである。