ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ドラマ「ふぞろいの林檎たちⅡ」

宮藤官九郎脚本の「ゆとりですがなにか」が面白い。

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3人の男たちの掛け合いを見ていると、あの「ふぞろいの林檎たちⅡ」を思い出す。

1985年3月から始まった山田太一脚本のドラマ。

3月15日の日記にこんな記述がある。

 

昨夜から始まった「ふぞろいの林檎たちⅡ」には、前作以上に身につまされそうで、これからの物語の展開が楽しみというか怖いというか。何しろ、あの主人公たちが実社会に出て動揺している姿は、来年の自分の姿でもあるのだ。しかし、その前に前作で彼らが揺れ動いた学歴の壁に、まず突き当たって突破しなければならないのだ。前作のラストで会社訪問先で胸を張って「要は生き方よ」って自ら納得した彼らの姿勢は、これからの自分にも少なからず影響を与えるだろう。それだけに、そんな彼らがその後をどう生きていくか大いに興味が持たれる。そして、自分の生き方をもそこに重ね合わせて、考えたいものである。

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初回を見ての予感は、その後、確信になった。このシリーズは自分の人生の指針の一つに間違いなくなった。写真は主演の中井貴一と亡き室田日出男。室田は中井が就職した運送会社の上司として登場する。この二人のやり取りが可笑しくも、社会の厳しさを実感させた。実は、この場面のロケ先が、大学時代にアルバイトをしていた配送センターだった。残念ながら撮影を見ることはできなかったが、馴染みの風景が印象的だった。そして、実際に就職したら、この室田以上にガサツな男が上司になった。それだけに室田の演技は実に見事だった。

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DVDのジャケットを見ているだけで、もう一度見たくなる。しかし、この日の日記には続きがある。

 

それから、今日またビデオで楽しんだ「ストリート・オブ・ファイヤー」は、ある日どこかで展開するロックンロールの寓話。まさにロックのリズムにのった理屈抜きの冒険活劇として第一級のエンターテイメントなのであるが、その主人公の生き方には、やはり考えさせられる。そこにあるのは男のダンディズム。好きであるのに別れざるを得ない男女の関係は悪くはない。しかし、自分がそんなカッコイイ男になれるはずもなく、単なる憧れではあるのだが、それでも考えてしまう。


当時、就活を前にして恋愛問題でも悩んでいたようである。なお、この年にはもうビデオデッキがあったようだ。前年に観た「ストリート・オブ・ファイヤー」も、生涯のベスト10に入るだろう1本である。