ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

「てるてる家族」と「また逢う日まで」

先週の土曜日に放映されたNHK土曜ドラマトットてれび」の視聴率は10.1%。やはり、これだけの話題作でも土曜の夜では、こんなものなのかという感想。朝ドラにしたら、軽く20%は超えると思われるだけに、惜しい。とにかく、テレビ草創期の現場が面白い。

昭和28年というと、朝ドラで再放送されている「てるてる家族」では、照子が映画「また逢う日まで」を観に行って、上映前のニュースで街頭テレビに群がる人々を見て、テレビジョン付き喫茶店をオープンさせる頃だ。テレビの内外で展開されるドラマは、どちらも面白い。

そういえば、この「また逢う日まで」を、自分も映画館で観ていることを思い出した。残念ながら昭和28年には、まだ生まれていない。そもそも、本作が公開されたのは昭和25年である。ドラマはフィクションだから、3年くらいの違いはどうってことない。

映画は今井正監督が戦時下の若い男女の悲恋を抒情的に描き、反戦映画として完成させた。岡田英次久我美子がガラスごしにキスをするシーンは有名だ。公開当時評判を呼び、大ヒット。評価も高く、この年のキネ旬ベストテンでは満点の1位になっている。ちなみに黒澤明の「羅生門」は5位。

自分がこの映画を観に行ったのが昭和57年の12月2日。場所は日比谷の千代田劇場。東宝の半世紀傑作フェアとして特別上映されたのだ。映画ファンとしては、名だたる名作を映画館で観られる絶好の機会だ。この日は「名もなく貧しく美しく」と同時上映。古き良き日本映画に酔いしれることができた。

f:id:hze01112:20190408185027j:plain

f:id:hze01112:20190408185052j:plain

ちなみに前日の1日は映画の日ということで「七人の侍」、翌日の3日は「生きる」を観ることができた。

f:id:hze01112:20190408185135j:plain