ささやかな日常の記録

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大草原の小さな家「オルガの靴」

大草原の小さな家』第8話は「オルガの靴」。足が不自由な少女オルガとローラたちとの交流が描かれた。

これがもうストーリーとして面白いだけでなく、さり気なく障碍者との付き合い方を教えてくれる内容になっていて素晴らしかった。これを幼い頃に見る価値は大きいし、大人になって見ても啓蒙させられるだろう。

このドラマでは靴の高さを調整することによって障碍を克服する。それを実行するのがローラの父親であるチャールズというところが重要だ。オルガの父親は娘のことを心配して、周囲に壁を作ることによって娘を守ってきた。

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それに対してチャールズは娘の話に素直に耳を傾け、普段の労働である馬の蹄鉄の修繕から靴を作ることを思いつく。

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単純なことだが頑なな閉ざされた心からは発展的な発想は生まれないということだ。そんな父親も最後には娘が元気に走ってる姿を見て自らをバカだったと認める。そんな男の肩を優しく抱くチャールズが素敵だ。まさに理想の父親像がここにある。

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本当に楽しくて、感動して、ためにもなるというドラマの王道的ストーリーにすっかり魅せられてしまった。しかし、その魅力を文章で伝えられないのがもどかしい。ネットでは人気ナンバーワンとの声もあったが納得だ。とにかくストーリーだけでなく、日常の描写も秀逸で印象的だった。

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意地悪なネリーの誕生会でのエピソードや、そのネリーに仕返しをする水遊びのエピソードなど、少女たちが活き活きと描かれている。アメリカザリガニの使い方も上手い。ネリーも意地悪なだけではないのも良い。どちらかというとローラの方が陰険だったりもする。

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そんなローラを優しく嗜める母親のキャロラインも実に魅力的だ。なによりも足が不自由でも気にしてないオルガの健気さが良い。体が不自由な人と過ごすのは、決して特別なことではないというのが自然と伝わってくる。これは是非とも多くの子供達に見せたいと素直に思ってしまった。

今だったら、それこそアニメの題材にもなりそうである。靴を義足に置き換えても良い。以前、NHKで義足の少女が陸上に挑む短編アニメを見て感銘を受けたことがある。

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このようなドラマやアニメはどんどんと放映すべきだと思う。視聴率的には苦戦した前クールのドラマ「パーフェクトワールド」も悪くはなかった。ただ、感想を書くのはやはり難しかった。まだ、自分の中でも当たり前のことにはなっていないということである。

その意味でも先の選挙でのれいわ新選組の躍進は快挙と言って良いだろう。国会でもこれが当たり前になったら、多少なりとも意識は変わっていくだろう。土曜日の報道特集でも障碍のある女子学生の就職活動を取り上げていて色々と考えさせられた。まだまだ現実的には超えるべき壁は大きい。それでも、こうした挑戦は素直に応援したくなる。

ただ、それを感動的なエピソードとして消費してしまうことには疑問もある。これも真偽は定かではないが京アニでのNHKの取材はアニ×パラの打ち合わせだったという話もある。それはそれで見たかったとは思うが、こんな結果になってしまっては素直に受け止めることはできない。障碍者雇用の現実も、そう単純ではない。それでも、こうしたことを考えるだけでも、それなりの意味はあると思いたい。

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